2016年にナイキがゴルフクラブ事業から撤退して、契約フリーとなったマキロイ。「自宅に各メーカーからクラブが送られてきているよ」と笑っていたが、当時選んだのはテーラーメイドのM2(2016年モデル)。それを手に、フェデックスポイントの年間王者に輝き、ボーナス1000万ドルを手にしている。
そんなマキロイが、2017年5月のシーズン半ばにして、ついにクラブ契約を発表した。“お相手”は今年タイガー・ウッズとの契約も締結しているテーラーメイド。
プレスリリースによれば、マキロイの契約を後押ししたのは今年発売され話題となっているボール、「TP5x」のようだ。リリースから少し長いが引用しよう。
「マキロイの決断を後押ししたのは、強い風の状況下でも優れたパフォーマンスを発揮するゴルフボールでした。かつ てマキロイはグリーン周辺におけるアイアンのパフォーマンスでボールを選定していましたが、アイアンショット時の弾道や飛距離に関しては望んでいた結果を手にすることはできませんでした。初めてテーラーメイドの TP5x ボールを試 したマキロイはすぐに、特に風がある状況下でアイアンショットの弾道が改善され、安定したアイアンのパフォーマンス を得られることに気づきました。これによりマキロイは TP5x ボールを使用することを決断したのです。」
要約すれば、「アイアンショットの弾道が気に入った」ということになる。今後、マキロイのアイアンショットの切れ味がさらに増すのかどうなのか、注目したいところだ。
ウッドは「M2」。アイアンは上はキャビティ、下はマッスル
さて、気になるクラブセッティングを見てみよう。契約内容は、ゴルフクラブ14本とボールという包括的なもの。
1W:M2 (9.5 度、クロカゲシルバー70 XTS)
3W:M2ツアー(13.5 度、テンセイCK Blue 90TX)
5W:M2ツアー(19 度、Tensei CK Blue 90TX)
3、4I:P750 ツアープロトアイアン(プロジェクトX 7.0)
5〜9I:“RORS プロト”アイアン(プロジェクトX 7.0)
48、54、60度:ミルドグラインドウェッジ(プロジェクトX6.5)
ボール:TP5x
ウッド類は「M2」で統一。M2といえばマスターズを制したセルヒオ・ガルシアのメインウェポン。ちなみにガルシアの使用シャフトもクロカゲシルバーだ(重さは違う)。
3番と4番アイアンにユーティリティ的にキャビティアイアンを採用した、PGAツアーの流行りに極めて忠実なセッティングとなっている。
ウェッジ類はロフトピッチを6度とやや大きめにし、60度ウェッジにまでつないでいるのも今風だ。ちなみに14本の契約には当然パターも含まれると思われるが、どうやら契約当初はまだ切り替わっていないようだ(オデッセイのプロトタイプを使用中)。
2017年5月10日現在、世界ランク1位のダスティン・ジョンソン、3位のジェイソン・デイ、6位のガルシア、8位のジャスティン・ローズに加え、2位のマキロイが加わったことで、世界ランクのトップテンの半分はテーラーメイド契約となった。
2017年シーズンのメジャーは残り3戦。この圧倒的な陣容ならば、「テーラーメイドスラム」なんてことが起きてしまうかもしれない。