セガサミーカップで2017年2勝目を挙げたチャン・キム。世界トップクラスの飛距離に加えパッティングにも隙がないそのプレーは“大器覚醒”を予感させる。賞金王レースの主役候補とも言えそうなキムの、2016年の終わりから大改造したというスウィングに迫った!

体重移動から回転へ。スウィングのビッグチェンジを行っていた

みんなのGD(以下、みんな):単刀直入に聞きますが、なんでそんなに飛ばせるんですか?

チャン:実は、今年に入って25〜30ヤードくらい飛ぶようになったんだ。というのも、昨年(2016年)に背中を痛めてしまって……。それで、コーチを変えて、スウィングを大きく改造したってわけさ。

みんな:そうだったんですか。どんなスウィング改造をしたんですか?

チャン:一言でいえば、ムーブ(体重移動)からローテーリング(回転)へのチェンジだね。以前は、バックスウィングで右足、切り返しで左足と大きく体重移動をしていたけれど、それだとインパクトが安定していなかったんだ。回転を意識するようになって、悩まされていたフックも出なくなり、飛距離も伸びて、いいことずくめさ。

画像: 2016年までのチャン・キムのスウィングイメージ。トップ(写真左)からの切り返しで左にググッと体重移動(写真右)していたが、背中を痛めてしまった

2016年までのチャン・キムのスウィングイメージ。トップ(写真左)からの切り返しで左にググッと体重移動(写真右)していたが、背中を痛めてしまった

みんな:具体的には、体をどのように動かしてスウィングしているのでしょうか。

チャン:一言でいえば、トップの位置に手と腕を置き去りにしたまま、上半身と下半身を回転させる感じだね。以前の僕ははスウィングプレーンにフォーカスしてスウィングしていたんだけど、それだとスウィングプレーンを手でなぞる感じになってしまう。そうではなく、体全体を最後まで回し続けるようにしたんだ。今は、腕や手のことはまったくなにも考えていないよ。

画像: これがチャン・キムの2017年版スウィングイメージ。トップの位置に手を置き去りにしたまま、体全体をローテーリング(回転)させるイメージ

これがチャン・キムの2017年版スウィングイメージ。トップの位置に手を置き去りにしたまま、体全体をローテーリング(回転)させるイメージ

チャン:そして、飛ばすために意識するのはお尻の回転(ヒップターン)。ヒップターンをファストにすれば速くしただけ飛ばせるんだ。体重移動は意識しなくても、このように振ると、インパクトでの体重配分は自然とフィフティ・フィフティになるんだ。

「ダスティン・ジョンソンやセルヒオ・ガルシアと同じ振り方にしたんだよ」

みんな:よく言う“下半身リード”とはまた違うのですか?

チャン:そうだね、違う。ローテーリング・エブリシングという意識で、上半身も下半身も、すべて回転させていくんだ。あくまで、そのとき腕をできる限り残すことが重要だよ。

みんな:なんだか振り遅れちゃいそうだなあ。

画像: チャン・キムが取材時に行っていたルーティン。トップからこの位置まで手を動かさず、体の動きで引きつけるように動かすことをショット前に繰り返す

チャン・キムが取材時に行っていたルーティン。トップからこの位置まで手を動かさず、体の動きで引きつけるように動かすことをショット前に繰り返す

チャン:ところがそうじゃないんだ! 体全体、エブリシングをローテーリングさせることにより、腕はナチュラルにリリースされるから、振り遅れることはない。PGAツアーでいえば、ダスティン・ジョンソンも、セルヒオ・ガルシアもこのように打っているよ。

トップの位置からはエブリシングをローテーリングし、腕だけトップの位置にステイ。これが飛ばしのコツなんだよ。恐れずにキープ・ローテーリング! これをぜひ試してもらいたいね。

(取材トーナメント:東建ホームメイトカップ)

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