各ホールの「規定打数」のこと
「パー」とは、ボールをカップに入れるまでの規定打数のことだ。たとえばパー4のホールなら、4打でホールアウト(カップにボールを入れる)すればパー。
一般的に距離が100~250ヤードのホールはパー3、251~470ヤードのホールがパー4、471~690ヤードのホールはパー5となる。ゴルフ場の各ホールのティグラウンド(1打目を打つ場所)には、そのホールのパーの数と、ヤーデージ(距離)が書いてあるので忘れずに見ておこう。
多くのゴルフ場は18ホールで構成され、パー4のホールが10、パー3、パー5がそれぞれ4つずつ配置されている。4×10+3×4+5×4=72というわけで、ゴルフ場の規定打数は「パー72」の場合が多いのだ。俗に、パー5のホールを「ロングホール」、パー4のホールを「ミドルホール」、パー3のホールを「ショートホール」と呼ぶが、パー+数字で呼ぶのが正式だ。
「パー」が使われだしたのは19世紀終わり
「パー」は19世紀終わりにイギリスで使われ始めた。1890年、「腕のいいゴルファーがミスや偶然の助けなしに、理想的なプレーで回ったときのスコア」を「標準スコア」として定めたのが「パー」の始まり。この「標準スコア」という仮想の相手がいれば、ひとりでもマッチプレーができると、瞬く間に広まっていった。
「パー(仮想相手)」は、当時イギリスで流行っていた歌から最初「ボギー(幽霊)」と名付けられていた。時が経つにつれ、ボールやクラブが進化し「標準スコア」の「ボギー」よりいいスコアで回る人が続出。そこで1911年に全米ゴルフ協会が標準スコアを「パー」と定め、「パー」よりも1打多いスコアを「ボギー」と呼ぶようにした。
アメリカで「bird」には俗語で「すごい」という意味があった
ホールの規定打数「パー」に対して1打少ないのを「バーディ(小鳥)」、2打少ないのを「イーグル(鷲)」、3打少ないのを「アルバトロス(アホウドリ)」と呼ぶ。よく「バーディ」は小鳥からきているといわれるが、アメリカの俗語では「bird」には「素晴らしい」という意味があった。
逆に1打多い場合は「ボギー」と呼ぶが、2打増えたら「ダブルボギー」、3打増えたら「トリプルボギー」と呼ぶ。パー4を8打でホールアウトした場合は「ダブルパー」というのが一般的だが、正しくは、規定打数より4打多いスコアは「クアドラプルボギー」だ。
というわけで、パーとは「規定打数」のことであり、スコアの「呼び名」のことだった。このように、ゴルフ用語は難しいものが多いけれど、調べるとその起源には面白いエピソードがあるものも多いのだ!