宮里藍も一時期苦められたパターのイップス。プロに限らず、みなさんの周りにもパターやアプローチ、あるいはドライバーにイップスを抱えているゴルファーがひとりはいるはず。でも、そもそもイップスって誰が使い始めたの?
「イップス」を初めて使ったのはトミー・アーマー
ショートパットを打つ際に、一時的に極度の緊張状態に陥り、スムーズなパッティングストロークができなくなるという「病気」にも似た症状がある。これを、イップス(Yips)と呼ぶ。
イップスという言葉を最初に使ったのは、米PGAツアープレーヤー、トミー・アーマーであるといわれている。アーマーは、イップスがどういうものか問われて、「Once you've had 'em, you've got 'em(なってみりゃわかるさ)」と言っていたという。
イップスの典型的な症状は、たとえばほんの1メートルにも満たないパットを、グリーンの外に出るほど強く打ってしまうというもの。ストロークをしようとすると腕が突然動かなくなり、気がつくとあり得ないほどの勢いでボールを打ってしまっているという。また、こうした症状がパッティング以外で起こることもあり、アプローチイップス、ダウンスウィングイップスなどと呼ばれたりする。
ちなみに、宮里やアーマーの他にもイップスに苦しんだプロのプレーヤーは多く、サム・スニードやジョニー・ミラー、トム・ワトソンなどが有名である。
イップスはプロや上級者に多いとされるが、一般ゴルファーにだって決して他人事ではない。自分の手が思い通りに動かなくなる……ゴルフは本当に恐ろしくて、だからこそ面白い。