知ってました? 「モーダス3」には4つの種類があるんです
「NSプロ モーダス3(以下、モーダス3)」シリーズは、「NSプロ950GH」などで軽量スチールシャフトブームを作った日本シャフトが、満を持して送り出した中・重量級スチールシャフト。ツアープロ用にさまざまなプロトタイプを作成し、テストを重ねたなかから、現在は4モデルが市販されている。
つまり「モーダス3」と一言でいっても、4つの種類があるということ。「モーダス3」というシャフトを知っているという人はいても、正直どれがどれだかわからないという人は少なくないと思われる。
ラインナップは「ツアー105」「ツアー120」「ツアー125」「ツアー130」と重量帯別になっているが、実際は重さだけでなく、そのしなり方、振り心地もモデルごとに大きく違うという。ちなみにガルシアは「ツアー130」、ステンソンは「ツアー120」を使用している。
東京・葛飾区の「パフォーマンスゴルフスタジオ」の掘口宜篤プロに各モデルを試打してもらい、印象を聞いた。
大定番「NSプロ950GH」だと物足りない人は、「105」
まずは4モデルのなかでいちばん軽い「105」から。重さはフレックスSで106.5グラム。
「それほど重くないシャフトなので、ゆっくりレベルにスウィングするタイプの人に合っています。ただし、実際の重量の割にはスチールっぽいしっかり感があるので、カーボンシャフトやNS950では物足りないという人に試してほしいですね。あまり大きく仕事をするシャフトではありませんが、インパクト直前で少し走る感じがあって、気持ちいいです」(堀口プロ)
シャフトが“走る”! ボールが上がって飛ばせる「120」
次に打ったのは「120」。ヘンリク・ステンソンの使用モデルで、カーボンシャフトのような振り心地が特徴だという。重さはフレックスSで114グラムだ。
「ハーフウェイダウン以降での走り感やスピード感があって、少しカーボンのようなフィーリングがあります。この走る感じのおかげで、球が上がってボールにスピンがしっかり入るので、グリーンに球を止められそう。飛距離も4モデルのなかではいちばん出ています。ちょっと手打ちの傾向がある人でも、タイミングが取りやすいのではないでしょうか」(堀口プロ)
シャープに振り抜ける高弾道シャフト「125」
3番目は「125」。重量帯としては、ダイナミックゴールドのS200に近いモデル。フレックスSで128.5グラムと、しっかりとした重さがある。
「振った感じ、シャフトに張りがあってスパッとボールを弾いてくれる感じがあります。バックスピン量も打ち出し角も、この4モデルのなかでもいちばん多く出ました。ほかのモデルよりも硬く感じる人が多いと思いますが、そのぶんスウィングテンポが速い人にはタイミングが取りやすく、シャープに振り抜けると思います」(堀口プロ)
切り返しで“間”を作りたい人にオススメ「130」
最後は最重量モデルの「130」。セルヒオ・ガルシアが使うモデルだ。重さはフレックスSで124グラムと、「120」よりなんと“軽い”。ちょっと混乱してしまうが、ともかく打ってみよう。
「スペック上の重量は『125』より軽いのですが、振ってみると明らかに重く感じます。手元から中間部分の剛性が高いからでしょうか。しかし、先端側はモーダスらしい走り感があって、少し低めのつかまった球が打てます。まさにガルシアのように、切り返しで1テンポ間を作り、タメてスウィングしたい人、重さを感じて振りたい人に合っていると思います」(堀口プロ)
「105」は若干軽めだが、ほかの3モデルに関しては、重量よりも振り心地を優先してモデルを選ぶべきだと堀口プロは言う。ちなみに計測データから各シャフトの特徴を調べると、
一番トータルで飛んだ=120
一番キャリーが出た=105、120
一番球が上がった=125
一番スピンがかかった=125
という結果となった。130は、すべてにおいて「2番手」という感じで、バランスの良さに特徴が感じられた。また、スウィングごとの適性を見てみると、
ゆっくりスウィング=105
手打ち傾向がある=120
早くスウィング=125
トップで間が欲しい=125
と、このようになる。
「これだけラインナップが揃っていると、どんなスウィングタイプの人にもどれかが合うと思います。NS950では物足りないという人や、ダイナミックゴールドとは違ったフィーリングを探しているパワーヒッターは、ぜひ試してみてほしいですね」(堀口プロ)