米国男子ツアー「ジョン・ディア・クラシック」で23歳のブライソン・デシャンボーが最終日にスコアを6つ伸ばし逆転でツアー初優勝を遂げた。アイアンをすべて同じ長さに揃えるなど、独自の理論で戦う“ゴルフの科学者”のスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が解説します。

全米オープンで見たデシャンボーは、昨年(2016年)のブリヂストンオープンのときより一回り大きくなって、少し大人になった印象がありました。しかし、そスウィングのメソッドは普遍。一言でいえば、「アイアンからドライバーまでひとつのスウィングで打つ」。それがデシャンボーの哲学だと思います。とにかくスウィングをシンプルにして、自分自身をマシンに近づける。それを志向しているようです。

注目してほしい点は、ハンドアップに構えていること。アドレスとインパクトでシャフトが同じ位置に戻っています。ワンプレーンのシンプルなスウィングをしようとしていますね。

画像: アドレスとインパクトでシャフトの角度が同じになるワンプレーンのスウィング

アドレスとインパクトでシャフトの角度が同じになるワンプレーンのスウィング

ハンドアップに構え、バックスウィングではノーコック。手首のコックを積極的に使うと飛距離には有利に働きますが、コックを使ってタメを作ると、リリースのタイミングやフェース面の管理が繊細になります。デシャンボーの場合、特にアイアンショットでは手首のコックをおさえることで飛距離よりも方向性を重視しているとわかります。

下の写真を見てください。コックというとバックスウィングでコックして、ダウンスウィングでコックをほどく、というイメージがあると思いますが、デシャンボーはフォローにいたるまで、徹底的にノーコックです。

画像: ノーコック気味にテークバックし、フォローでもコックを使わないことで方向性を重視している

ノーコック気味にテークバックし、フォローでもコックを使わないことで方向性を重視している

彼のクラブを実際に見てみたところ、アイアンからドライバーまでグリップは極太。これは手首を使いにくくしながら再現性の高いスウィングにするための彼なりのひと工夫になっています。

画像: コックを使わないノーコックで打ちやすい極太グリップ

コックを使わないノーコックで打ちやすい極太グリップ

とにかくスウィングをシンプルにしたいのでしょう、重心移動も少なく、スウィング中「ブレ」につながる要素はすべて排除しています。変わり者と評されるデシャンボーですが、頑固なまでに貫き通したそのオリジナリティ溢れるスウィングを、自ら正しいと証明して見せたのは見事の一言。

ワンレングスアイアンは、個人的には100が切れないレベルのアマチュアゴルファーに非常に効果があると考えています。アイアンが縦にも横にも散らばってスコアをまとめられないという人は、デシャンボーのスウィングと、長さを揃えたアイアンが、スコアの救世主になってくれるかもしれません。

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