ケンジロウです。イングランドのサウスポートロイヤルバークデールからお届けしております。
最終日が終わりました。皆さんテレビでご覧になっていましたか?
松山選手、出だしの“トリ”が痛かったですね((+_+))
1番のティショット、スプーンを持って打った球は風に流されてOBゾーンへ。ここでせめてダボで上がっていればまだ違っていたんでしょうが、そのあと4打目が乗らず、そしてパットも入らず、トリプルを打ってしまいました。
試合後に本人もトリプルを悔やんだ発言をしています。
「トリが痛かったですね。ダボかボギーならまだ気持ち的にやれるかなというのがあったかもしれないですけどうまく切り替えられなかったですね」(松山)
ここで気持ちが吹っ切れてしまったのかと聞いたところ、
「早くパープレーに戻せばまだいけると思っていました。ジョーダンが出だしを落としていたの見たし、戻せばチャンスはあると」とコメント。
風がけっこう吹き始めていましたからね。やはり諦めてはいなかったんですね。
松山選手が言うように、今日の最終組は崩れそうな気配がありました。
スピースは難しい1番でボギー発進。そして3番、4番と立て続けにボギー。同じくボギーを打っていたクーチャーと並びました。
スピースは前半終わって3オーバーのトータル8アンダー。これは6アンダーで上がった中国の李昊桐(リー・ハオトン)の優勝もあるぞと、取材陣はみな慌てましたね。
13番でスピースが球を右に曲げて深いラフに入れたときは万事休すかと思いましたね。でもここからが凄かった。アンプレヤブルを選択して、練習場の横の打ちやすい位置まで下がったんです。
そのときのことをスピースは試合後にこう語っています。
「ドライビングレンジはOBゾーンかい?って聞いたんだ。答えはNOだった。ティグランドに戻って打つよりそっちのほうがよりグリーンに近いからいいと思ったんだ。ドロップの位置は慎重に考えたよ。練習場の左側はクラブをしっかりとヒットできなそうだったんで、ツアーバンの横のライがいいところを選んだんだ」(スピース)
優勝争いをしている中で球を曲げ、しかもアンプレヤブルと言う状況でのこの冷静な判断。
スプーンか3番アイアンか迷ったあげく、キャディのマイケルに促される形で最終的に3番アイアンを振り抜きました。グリーンそばまで飛ばすミラクルショット。ここをなんとかボギーで収めて、ここから快進撃が始まったのは皆さんご覧になったことでしょう。
ツアーバンが止まっている映像はまるで駐車場のような状態でした。全英、優勝争い、駐車場とこの3拍子が揃ったら、皆さん何か思い出しません?
そう、1979年の全英オープンで優勝したセベじゃないですかね。駐車場からベタピンにつけてバーディを獲ったのは記憶に残っていますよね( ..)φメモメモ
優勝を決めたスピースですが、その勝因を考えてみました。
今週もいつも通りパットがよく入っていましたが、それ以上に印象的だったのがショットの精度の高さ。最終日こそドライバーを左に右に曲げていたものの、アイアンはビタビタピンに絡んでいました。
最終日の朝の練習場ではコーチのマコーミックとアライメントなど基本的な部分をチェック。自分が向いている方向にちゃんと出球が出ているかをしっかりとチェックしていました。
こういう細かいことの積み重ねがひとつひとつのスコアにつながるんでしょうね。
もうひとつ今回のスピースが変わったことがあります。それは体をしぼってきたこと。初日の会見でこんなことを言っていました。
「ダイエットをしてショットが良くなったんだ。特にアイアンショットでボールを上手くヒットできるようになった。もちろん今まで通りハンバーガーも食べるしビールも飲んでいるよ(笑)。でも少しずつ自分の体のことをケアするようになり、何が自分にとってベストかを考えるようになったよね」
確かに今週久しぶりにスピースを見たときになんかスッキリしたと思っていたんだよな~。あとからなら何とでも言えるって言われそう…( 一一)
まあとにかくこれで全米プロでのメジャーグランドスラムが見えてきましたね。今の調子なら十分にありそうな話ですよね。
その行く手を松山選手にゼヒとも阻んでもらいたいものです!(^^)!
写真/姉﨑正