永峰咲希はいきなり実戦投入して今季自己ベスト!
センチュリー21レディースの練習日からお目見えした「グローレF2」ドライバーの赤バージョン。もしやテーラーメイドの新製品!? かと思いきや、性能的には従来モデルとまったく同じで、カラーリングだけが変更になったもの。

まったく同じヘッドだが、色が違うと構えた印象は大きく違う!
そのド派手な色彩に女子プロたちが食いつかないわけがなく、なんとベテランの表純子と期待の若手・永峰咲希は即バッグに入れて実戦投入。永峰にいたっては、いきなり今季自己ベストの8位タイの好成績を収めてしまった。
そこで浮かぶのは「色が違うと、使い心地はどう変わるのか?」という素朴な疑問。実際に女子プロたちにこのグロレーF2赤バージョンを手渡したテーラーメイドの女子ツアー担当・鵜野(うの)晃行さんに話を聞いた。
「面白いなと思ったのは、『締まって小さく見えるから、ヘッドがターンしやすい気がする』という意見が多く聞かれたことですね。元々のカラーである白は膨張色で、ヘッドが大きく見えるのですが、それに対して赤はヘッドが締まって見える。その結果、プロたちは“つかまりそう”と感じたようです」

太陽に当たるとややオレンジっぽく見える明るいレッド。締まった印象でつかまりやすく見える
なるほど、たしかに白ヘッドの利点は、ヘッドが大きく見えることと、そこから来る安心感にある。それが赤くなったことにより、「小さく見える」のではなく、「つかまりやすく見える」というのが女子プロならではの意見で面白い。
赤グローレ誕生の陰に「あのパター」の存在が……?
「すぐに実戦投入してくれた二人のうち、表プロは“新しいものは、常に良いものに違いない”という発想の持ち主で、その柔軟な発想があるからこそ長くツアーで活躍しているのだと思うのですが、永峰プロはあまりクラブを変えないタイプ。彼女たちには共通点があって、赤いスパイダーパターを使用していたり、使用したことがあったりするんです。それだけに“赤”という色自体を、すんなりと受け入れてくれたようです」(鵜野)

契約プロの松森杏佳も好印象。右が今回話を聞かせてくれた鵜野さん
テーラーメイドには、かつて「ゴースト」という大ヒットしたパターがあった。白いヘッドが特徴のそのモデルが成功したことを受けて、「R11」ドライバーを白ヘッドで市場に投入し、大ヒットにつなげたという前例がある。

大西葵は「キュッと締まって見えます」。松森彩夏は「集中力を高めてくれる色ですね」と興味津々
それを踏まえて考えれば、2017年のマスターズを制するなどこれまた大ヒットモデルとなった「赤スパイダー(スパイダー・ツアーレッド)」パターの成功を受けての、今回の赤ヘッドなのかもしれない。
熾烈な戦いが続く女子ツアー。その中で、“赤いドライバー”は存在感を示せるか、注目だ。
写真/大澤進二