「球は打たんでいい。素振りだけしていれば、上手なるわ」と語るのは、1995年のレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞した高松志門プロ。もちろん、素振りといってもただ振ればいいわけではない。必ず上達する“志門流”素振りを教えてもらった。

「左手パチン」練習でムダのないトップがわかる

野球やテニス、卓球など、ボールを打つスポーツでは「素振り」が当たり前。プロ・アマを問わず、誰もが何千回と素振りをし、レベルアップを図っていく。だがゴルフはどうだろう。練習は素振りが中心という人は少ないのではないだろうか。高松志門プロはいう。

「練習場で何百球も打つアマチュアをよく見かけますが、正直言ってヘタを固めているだけ。それならもっと素振りをしたほうがいい。いい素振りができれば、球打ち500球以上の効果があります。飛距離だってスコアだって間違いなく伸びますよ」(高松、以下同)

画像: 最下点で「ヒュッ」って音が出せたら上手になるとのこと

最下点で「ヒュッ」って音が出せたら上手になるとのこと

他のスポーツとは違い、クラブが14本もあることも、ゴルファーが素振りをしない原因のひとつかもしれないと高松は指摘する。

「全部振ろうとしたら、そりゃ大変です。短いウェッジと長いドライバー、この2本だけやっておけば十分でしょう」という高松だが、その手にはどのクラブも握られていない。

「まずは握った左手を右手で叩く『左手パチン』。これが全ての基本になります」

これをやることで、自分にとってもっとも無理がなく、効率的にボールを叩ける理想のトップ位置がわかるという。

画像: 「この状態から左手を強く、速く叩こうと思ったらどうしますか?」

「この状態から左手を強く、速く叩こうと思ったらどうしますか?」

右手のひらが左手を見るように上がっていくのがテークバックの基本。右手が自然に上がったこのトップ位置なら、体への負担が少なく、軌道も安定する。

ボールを強く打とうとすると、知らないうちにトップが深く入りすぎていたり、シャフトが寝てしまったりするので注意。このトップが作れたら、あとは右手を左手でパチン! と叩くだけだ。

画像: 「自然に上がった右手の位置があなたの理想のトップ」

「自然に上がった右手の位置があなたの理想のトップ」

素振りはお金も時間もかからない。超効率的な志門流・素振り上達法。「時間がないけど練習がしたい」そんなゴルファーはやってみる価値がある練習法だ。

写真/有原裕晶

(週刊ゴルフダイジェスト2016年8/9号より抜粋)

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