「左手パチン」練習でムダのないトップがわかる
野球やテニス、卓球など、ボールを打つスポーツでは「素振り」が当たり前。プロ・アマを問わず、誰もが何千回と素振りをし、レベルアップを図っていく。だがゴルフはどうだろう。練習は素振りが中心という人は少ないのではないだろうか。高松志門プロはいう。
「練習場で何百球も打つアマチュアをよく見かけますが、正直言ってヘタを固めているだけ。それならもっと素振りをしたほうがいい。いい素振りができれば、球打ち500球以上の効果があります。飛距離だってスコアだって間違いなく伸びますよ」(高松、以下同)
他のスポーツとは違い、クラブが14本もあることも、ゴルファーが素振りをしない原因のひとつかもしれないと高松は指摘する。
「全部振ろうとしたら、そりゃ大変です。短いウェッジと長いドライバー、この2本だけやっておけば十分でしょう」という高松だが、その手にはどのクラブも握られていない。
「まずは握った左手を右手で叩く『左手パチン』。これが全ての基本になります」
これをやることで、自分にとってもっとも無理がなく、効率的にボールを叩ける理想のトップ位置がわかるという。
右手のひらが左手を見るように上がっていくのがテークバックの基本。右手が自然に上がったこのトップ位置なら、体への負担が少なく、軌道も安定する。
ボールを強く打とうとすると、知らないうちにトップが深く入りすぎていたり、シャフトが寝てしまったりするので注意。このトップが作れたら、あとは右手を左手でパチン! と叩くだけだ。
素振りはお金も時間もかからない。超効率的な志門流・素振り上達法。「時間がないけど練習がしたい」そんなゴルファーはやってみる価値がある練習法だ。
写真/有原裕晶
(週刊ゴルフダイジェスト2016年8/9号より抜粋)