何かの拍子で力んだり後半疲れるのが原因
午前中はよかったドライバーが、後半になるにつれて調子を落とし、終盤で一気に崩壊……。思い返すといつもそんなゴルフ、という人は意外に多いのではないだろうか。
「こういう“崩壊”って、崩れ始めたら最後、立て直すことはほぼ不可能なんですよ」と話す佐藤プロ。
「ショットが崩れるのには必ず前兆があるので、崩れ始める前に気付いて対処することが大事なんです。ショットの崩れの原因は“力み”と“疲れ”です。とくに前者は気付きにくいですが、“今日イチ”のショットが力みを生んだり、景色やロケーションなどの影響で力むこともあります。“疲れ”は、アマチュアの場合上がり3ホールで現れやすい。どちらも、スウィングのリズムやバランスの崩壊の原因になります」(佐藤、以下同)
なるほど……。思い当たるフシがたくさんある。
「まずはラウンド中に現れる“崩壊の前兆”に気を配りましょう。崩れる前に気が付けば、まだ対処のしようもありますからね」
ナイスショットは“力み”手前の限界点
“今日イチ”のナイスショットは、体が動いてきて程よく力が入ったところに出るが、すぐにその力感が過剰になり、「力み」になってスウィングを崩す。
“逆球”は上体に力が入ったときに出る
逆球が出るときの多くは、景色の違和感やOBを嫌がって腕に力が入ったときや、飛ばそうと欲張ったとき。“力みのスパイラル”の入り口だ。
自分に合った力みの取り方を見つけよう
ドライバーショットの“力み”と“疲れ”。実際、力みを取るのってかなり難しい……。
「そうですね。実際のスウィングとしては、『力が入りそうだな』と思ったら、思い切って普段の5~6割の力でスウィングするくらいしか対策はないのですが、アマチュアの場合、スウィング以前に体中がガチガチになっている場合も多いので、その力の抜き方は覚えておいて損はないでしょう」
具体的にはどんな点?
「たとえば、グリップした時の自分の前腕を見てください。力を抜いたつもりが抜けていない人は、手はゆるいのに腕が筋張っています。そのほかにも、肩を意識的に下げたり、目標方向を見て素振りをすると力は抜けやすいですね。また、力んでくると打感なんてなくなってしまうので、打つ前に手に伝わるインパクトの衝撃をイメージしたりするのも効果的です」
このほかにも、「肩を下げて首を長くする」や「インパクトの打感を想像する」なども力みを取るのに効果があるという。こういったポイントを抑えれば、体力が失われやすい夏ゴルフの後半でもドライバーでナイスショットが打てるはずだ。
写真/有原裕晶
(月刊ゴルフダイジェスト2014年9月号より抜粋)