ソールの剛性を高めることで、クラウンのたわみを増やす
新しい「TOUR B JGR」のキャッチコピーは“飛距離モンスター誕生”というもの。極めてシンプルに飛距離を訴求したキャッチからもメーカーサイドの自信が伺えるが、果たして飛距離モンスターはいかにして誕生したのか。その中身をプレスリリース文面から探っていこう。
イメージカラーの黄色は前作から変わらないが、目を引くのはフェース面から伸びた牙のような形状。この“ブーストパワーリブデザイン”により効率的にソールの剛性を高め、クラウンのたわみを増やし、それによりボール初速と打ち出し角を高めているという。
また、フェース面全体にミーリングを配置。しかもミーリング4本につき1本の割合で従来の2倍の深さにするという“細かすぎる加工”が施されている。それにより摩擦力が向上し、それが安定した低スピンにつながっているという。オフセンターヒットへも強いというから安心だ。
「私はスピン量が多く3000回転くらいあったんですが、このドライバーにしてから500回転くらいスピン量が減りました。クラブ換えただけで、ここまでスピン量が下がったことは、私にとってすごく大きい。多少芯を外しても真っすぐ飛ぶし、ミート率が上がって飛距離も伸びています」
とは開幕戦からTOUR B JGRのプロトタイプである「P01-7」を使用し、プラス10.1ヤードの飛距離アップに成功した渡邉彩香の弁。飛ばし屋・渡邉のスピンを下げ、飛距離を伸ばした背景には、このミーリングの効果もあるかもしれない。
スライサーに朗報! 今回もつかまるみたいですよ
そして、JGRといえばなんと言ってもつかまりの良さが最大の特徴と言っても過言ではないが、今回もしっかりとドロー設計が施されている。つかまりを大きく左右する重心角がもっとも大きくなるポイントにウェートを配置。さらには25グラム相当もの重量を配置することで、ハイドローで飛ばせる機能を追求したとしている。
TOUR B JGRドライバーは2017年9月15日発売。純正シャフトが6万3000円+税。エアスピーダー G、スピーダー569エボリューションⅣ、ツアーAD IZ-5、ディアマナRF50、アッタスCoooL5なども選べる。ヘッドサイズはフルサイズの460CCでロフトは9.5度、10.5度、11.5度から選べ、長さは45.5インチ(エアスピーダーGのみ45.75インチ)。
春先から夏場に至るまで、その存在と性能がツアーで口コミ的に広がっていたプロトタイプドライバー「P01-7」。それが製品として正式にリリースされた格好の「TOUR B JGR」。ドライバーの当たり年という評価が確定しつつある2017年の秋、さらなる激震が起こりそうな気配だ。