米ツアーは2016-2017年のレギュラーシーズン最終戦の「ウィンダム選手権」を迎え、次週以降はプレーオフシリーズに突入する。2016年のケガのため公傷制度を適用されシード復活をかけて最終戦に臨む石川遼は、初日は4アンダー18位タイと上々のスタートを切った。そのプレーの様子をスウィング研究家の吉田洋一郎が現地からレポート!

シード権獲得か入れ替え戦か。初日は「66」の好発進

シードを失う恐怖を感じながらPGAツアー選手がどのような戦いを挑むのかが気になり、PGAツアー最終戦のウィンダム選手権に足を運びました。

ウィンダム選手権終了後、ポイントランキングで125位以内に入れば来季のフルシードとプレーオフシリーズの出場権を得ますが、126位から200位となった場合は、下部ツアーとの入れ替え戦となるウェブドットコムツアー・ファイナルズに回ることになる、天国と地獄の分かれ道となる試合になります。

このフィールドにはシード権のボーダーライン125位以内を争う選手、75位のヘンリク・ステンソンのようにプレーオフシリーズを有利な順位で戦いたい選手、202位の岩田寛のように入れ替え戦に出られる200位以内を目標としている選手など様々な目的の選手がいます。

125位以内に入るにはこの試合で2位タイ以内が条件となる175位の石川遼は、入れ替え戦を視野にこの試合に臨んでいました。

3月末のシェルヒューストン・オープン以来、久しぶりに石川のスウィングと球筋を見ましたが、大きくスウィングのコンセプトが変わっていました。インパクトの手元の位置を低くし、フェースローテーションを少なくすることに取り組んでフェードを打っていた石川でしたが、今回の試合ではフェースローテーションを入れた従来のスウィングでドローを打っていました。

画像: ドローボールでコースを攻めた

ドローボールでコースを攻めた

「バックスウィングで右腰を回転させることと、前傾角度通りに上半身を回転させることに気を付けています」(石川)

ここ数年、腰の痛みをかばって体を使うことを恐れていたため、手でバックスウィングを上げていたことに気づき、体を使ったバックスウィングを心掛けた結果、スウィングが安定し、ヘッドスピードもアップしたということです。

練習日はダウンスウィングの動きやタイミングに不安定さがありましたが、初日のラウンドではフェアウェイキープ率78.57%、パーオン率88.89%とショットは安定していました。その結果が、1イーグル、5バーディー、1ボギーと1ダブルボギーで4アンダー18位タイという上々のスタートにつながっています。

画像: 練習日に石川遼(右)を取材する吉田洋一郎

練習日に石川遼(右)を取材する吉田洋一郎

石川は本来この試合に出るレベルの選手ではないと思います。立ち方・体の動き・リズムなどPGAトップ選手と比べて遜色のないセンスを感じます。しかし、なぜ現実はシード権すら確保できないのか。石川本人も試行錯誤しながら答えを見つけ出そうとしていると思いますが、今回のプレーぶりを見てPGAツアーで戦うための「技術的な核」と「他よりも秀でた武器」を身に付ける必要性を感じました。

まずは目の前の試合、その後の入れ替え戦を勝ち抜くことが大前提ですが、来季PGAツアーで活躍するためにはブレない戦略が必要になると思います。

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