大切なのは、進行方向に対してエネルギーが外れないこと
パットは距離感やライン読みなどがスコアアップのカギになるわけですが、とはいえ、メカニズムもしっかり身に付けることに越したことはありません。
パットのメカニズムで私がもっとも大事だと考えているのが、ヘッドを真っすぐ動かすことです。ヘッドはイントゥイン軌道で動かすべきという理論が多く、確かに厳密に言えばヘッドを真っすぐに動かしたとしても、多少のフェースの開閉動作は入ります。しかし、この度合いは少ないほうが、それだけスクェアに当たる確率は高い。意識は『真っすぐ』でいいのです。
大切なのは、進行方向に対して運動エネルギーが外れないことです。イントゥイン軌道では、ヘッドは円周上を動くため、運動エネルギーもカーブしながら動きます。すると、スクェアになるちょっと手前で当たればボールは右へ、スクェアを過ぎて当たればボールは左へ出て行きます。
当たったときにいくらフェースがスクェアであったとしても、ボールは運動エネルギーの働いている方向(ヘッドの重心が動く方向)に飛び出すからです。言い換えれば、フェース面が1~2度目標からずれていても、運動エネルギーが狙った方向に真っすぐ動いていれば、ボールは目標に転がるということです。
ボールを真っすぐ押し出すためには、まずアドレスの確認をする必要があります。後方から見たときに、後頭部と背中を結んだラインが地面と平行になるようにしてください。そうすれば、ヘッドを真っすぐ動かしやすく、縦の振り子ストロークがしやすくなります。多くの人は、ここで上体が20度ほど起き上がっているので、回転軸が傾きヘッドが円弧運動しやすくなってしまうのです。
ボールはつま先前に置きます。こうすることで、ヘッドがストレートに動きやすくなるのはもちろん、適正なロフトで、かつアッパー軌道でボールをとらえることができ、きれいな順回転でボールを真っすぐ打ち出すことができるのです。
※「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より