ノーコックでヘッドをシャローに入れる
「濃い色をした『山砂』は締まって重い。薄い色の『海砂』はさらさらの砂質。僕のイメージだと、締まった砂は間に空気が入らずエネルギーロスが少ないので、振ったぶんだけ砂が飛んでいき距離感が合いやすい。しかし、さらさらの砂は間に空気が入り飛ばないので、倍くらいのエネルギーが必要で、距離感も合いづらいです」
そう語る藤田寛之プロ。藤田プロは、難易度の高いさらさら砂を攻略するには「U字軌道」がいいと言うが、その理由はどこにあるのだろうか?
「フォローで飛ばしていきたいということと、カット軌道で打ちたくないというのが理由です。ヘッドをカットに入れてしまうとスカッと抜けてしまったり、球は上に上がるだけで前に飛ばせず、バンカーから脱出できないことが多いんです」(藤田、以下同)
バンカーからはオープンスタンスでカットに振る! というのが基本かと思いきや、さらさら砂から脱出するにはそれではダメなのだ。では、U字軌道でしっかりと前に飛ばすためのポイントは?
「まずアドレスですが、スタンスはスクェアで体重配分は5対5。手元をセンターに置いてヘッドを走らせる構えを作ります。『U字』の場合はシャロー気味にヘッドを入れるので、コックは使いません。スクェアな向きのスタンスに沿って『U字』を描くように振っていきます。入射角を緩やかにしつつフォローを大きくすることで、前に砂を飛ばせます」
また、さらさらの砂で怖いのが、目玉の状況だ。ただでさえ難しいさらさら砂で、その上目玉になったら、一体どうしたらいいのだろう?
「まず大事なのは、フェースを被せるということ。フェースを開くと目玉の外輪にバウンスが当たり、砂にヘッドが潜っていかないからです。クラブを真上に上げ、ダウンでは『大根切り』の要領で真下にヘッドを落とします。外輪の外側にヘッドを入れますが、ボールの下までめり込ませるイメージで、思いっきりヘッドを叩きこんでいく。砂の抵抗がかなりあるので、インパクトして終わりのつもりでOKです」
難易度の高いさらさら砂のバンカーは、『U』字軌道でフォローで飛ばしていこう。そして万が一目玉になってしまったら……フェースをかぶせて大根切り! これを忘れずに。
写真/姉崎正
(週刊ゴルフダイジェスト2016年9/13号より抜粋)