腰のちょいスライドが右足の踏ん張りを生む
「ニセベタ足」というのは、いったいどういうことでしょうか?
「ベタ足は、ただ右かかとが浮かなければOKというわけではないと考えています。腰が引けたベタ足では、力強い球は打てません。多くの方は、左腰が引ける傾向にあります」(申ジエ、以下同)
本当のベタ足とは?
「切り返しで、腰を少しだけ目標方向へ“スライド”します。すると、いわゆる腰が入った状態になり、右足の踏ん張りが効くようになります」
強く踏ん張れるから、下半身が安定して正確かつ強いショットになるのだと...…。
「そうです。それが本物ベタ足なんですよ」
ポイントは振り抜いたら体重を左へ乗せて振り切ること。右足が浮かないようフォローまで我慢して、頭とクラブヘッドが引っ張り合う力を利用して飛ばす。
もうひとつのポイントは、当てにいかず手を下ろす意識だけを持つこと。右肩が出ると腰が引ける原因になるから、要注意だ。
「ボールに当てる思いが強すぎると、右肩が出やすくなります。右足の横にクラブを落とす気持ちで下ろしましょう」
【ベタ足習得ドリル】「ティをくわえて振ってみて」by申ジエ
ベタ足を習得するのに、効果的な練習はありますか?
「ティを口にくわえて振ってみてください。右足だけを意識すると、腰が引ける原因につながります。ティをくわえることで、意識が顔に移りますよね。体の動きは連動しているので、顔が残っていれば、右ベタ足で打てていると思っていいんですよ」
ティがつねにボールを指していれば、ベタ足だと自己診断。ティがボール以外を差し出したら、腰引けや突っ込みの可能性を疑うという。また、ティがボールを指し続けるためには、ダウンで顔を少しだけ右に向けるといい。
現在フェアウェイキープ率が4位、パーオン率が8位とショットの正確性はツアー屈指の彼女にあやかって、本物のベタ足打法を身につけてみてはいかがだろうか。
写真/大澤進二
(週刊ゴルフダイジェスト2016年9/27・10/4号より)