アプローチの世界に異変が起きている。ハンドファーストで上から打ち込む「V字」から、ゆるやかな軌道で打つ「U字」へと変化しつつあるのだ。2017年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでプロ初勝利(通算2勝目)を挙げた畑岡奈紗は、「54度を開いて使うのがオススメ」と話す。一体、どのように使えばいいのか、新世代のアプローチを教えてもらった。
「ウェッジのロフトはそんなに必要ないことに気づいたんです」(畑岡)
米女子ツアーに挑戦中の、畑岡奈紗プロ。当初は慣れない芝への対応でアプローチに悩んでいたが、54度のウェッジを開いてバウンスを出して使うことで、ミスが減ったという。
「バウンスを使って打つということが、最近ようやくわかってきて、そうするとウェッジのロフトはそんなに必要ないことに気づいたんです。54度なら、開いて打っても、ほどよくフェースに乗ってくれて、下を抜けて“だるま落とし”になったりしないんです。ただし、入射角が重要で、鋭角すぎても、シャローすぎてもダメ。それと、ボールの下にどれくらい芝があるか、その見極めも大事ですね」(畑岡)
ポイントはふたつ。ひとつは、フェースを返さないこと。頭を残してヘッドは走らせるが、フェースは返さない。フォローでフェース面が自分を向くように振る。
もうひとつは、右ひじが体から離れないようにすること。スウィング中、ずっと右わきを締め、特にダウンスウィングで空かないように注意する。
ボールを潰すように打つのではなく、ソールを滑らせてボールを上げるのがこの打ち方。必然的に、振り幅はやや大きくなる。そのため、勇気を持って振り幅を大きくすることもコツのひとつだ。
この記事は、発売中の月刊ゴルフダイジェスト11月号の特集「ソールを“滑らせる”とこんなに寄るんだ! 脱! ハンドファーストのアプローチ」より。他にも松山英樹に池田勇太、今平周吾などのアプローチ巧者のアプローチ術が詳しく載っている。熟読して、アプローチ術を現代風にアップデートしよう!
写真/有原裕晶