2015年、2016年の賞金女王でもあるイ・ボミ、2週連続LPGAツアー優勝を飾った畑岡奈紗がLPGA会員入会申請書を提出し、2017年10月1日付で承認された。これにより晴れて、イ・ボミはインターナショナルプロフェッショナル会員に、畑岡はプロフェッショナル会員になった。イ・ボミは2017年のCATレディスの優勝、畑岡はミヤギテレビ杯と日本女子オープンの優勝に申請書を提出した。
今回のように、LPGAツアーにて優勝した単年登録者がLPGA会員入会申請書を提出できるようになったのは、実は今季から。LPGAツアー優勝者による会員登録は2011年7月末に一度廃止されたものの、2017年度のツアーで復活。これにより海外選手たちが正会員としての登録を申請しやすくなった。
イ・ボミより先にサイバーエージェントレディスで優勝したキム・ハヌル、ヤマハレディースで優勝したイ・ミニョンがインターナショナルプロフェッショナル会員として認められている。そもそも、海外選手たちは今までどのような資格で出場していたのだろうか?
女子プロゴルファーのプロ資格には、ボミ・畑岡のようにLPGA会員になるものと、1年単位で登録する単年登録制度というものがある。単年登録制度はTPD単年登録といい、「トーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン」の略だ。
レギュラーツアーへの参加資格を得るためにはクォリファイングトーナメント(QT)にて上位に入る必要があり、このクォリファイングトーナメントで3次予選以降に進出すると1年間限定のプロ資格を得ることができる。これがTPD単年登録だ。
とはいえ、TPD単年登録は1年間限定の資格。毎年クォリファイングトーナメントに出て3次予選以降に進出するか、賞金シードを保持し続けなければいけない。対照的に、LPGA会員になれば期間は関係なく資格を保持することが可能。また、LPGA会員は福利厚生として遠征に欠かせないレンタカーや宿泊場所を優待料金で使用でき、毎年の登録料などはかからない。一方のTPD単年登録者は福利厚生はなく、1年登録するごとに登録料が発生する。
この手厚いサポートを受けるためにも、LPGA会員になりたい選手は多いのだ。また、今まで海外選手に対して厳しかった条件に対し、今回のように門戸を広げることで日本ツアーをより盛りあげていきたいという小林浩美LPGA会長の思惑もある。
今回イ・ボミ、畑岡に適用されたトーナメント規約は以下の通り。
トーナメント規約第20条(TPD単年登録者の入会)
1、次の各号に定めるものは、理事会の決議によりLPGAへの入会を承認されることができるものとする。
・LPGAツアーの競技で優勝した単年登録者
・第19条(優勝した臨時登録者がTPD単年登録をするための手続き)に定める手続きをしてTPD単年登録が完了した者
・3年連続して賞金シード権を有したTPD単年登録者
となっている。海外選手と切磋琢磨し、これからの日本女子ゴルフ界を盛り上げる。