「トップ杯東海クラシック」は小平智の2017年初優勝で幕を閉じた。世界ランク50位以内を目指し、来季の海外挑戦を見据える小平は、この勝利で賞金ランク1位に躍り出た。抜群の安定感を誇るそのスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。

沈み込んで伸び上がらない

「自分の得意クラブはドライバー、そこを生かして世界に出ていきたい」と本人が語るように、今季のドライビングディスタンスは294.76Yで19位、FWキープ率は3位(2017年10月2日現在)と安定した飛距離と方向性を発揮している小平選手。

飛んで曲がらないドライバーショットの秘密は、下半身の使い方にあります。切り返しで一度沈み込んだあと、インパクトにかけて地面を蹴るようにひざを伸ばす動きを使っています。地面を踏んだ反力を使って腰を回転させることでヘッドスピードを上げているのが特徴です。地面のエネルギーを使うことで、300ヤード級の飛距離を稼いでいるのです。

ここで見てほしいポイントは、頭の高さです。アドレスでは少し“立ち気味(前傾角度浅め)”に構えています。切り返しで沈み込んだ時にひざは屈曲していますが、フォローでは伸びています。それなのに頭の高さは変わっていません。

これはひざは地面を踏みつけたことで生まれた反力を、回転力に変換している証拠。下から上に力を使っているのではなく、下から回転方向にエネルギーを使っているわけです。もしこれが単純に下から上の動きだとしたら、ひざを伸ばすと同時に頭の高さまで高くなり、全体に起き上がる動きとなって、回転力につながりません。

画像: 切り返しで沈み込んだら、ひざを伸ばしてもフォローまで頭の高さが変わらないことで回転力に変換される

切り返しで沈み込んだら、ひざを伸ばしてもフォローまで頭の高さが変わらないことで回転力に変換される

アマチュアゴルファーの方が頭の高さを変えないようにスウィングしようと思ったら、目とボールの距離を意識するのがオススメ。ボールとの距離感を意識しながら素振りし、わざと頭の高さ上下にを変えてみると、「いま頭の高さが変わったな」という感覚が理解できると思います。とくに上体が起き上がるタイプの人には効果が期待できます。最初は“意識するだけ”でOKです。

秋のビッグトーナメントに突入する男子ツアーの賞金王争いは、トップの小平選手から8位の片岡大育選手まで約3000万円差。高額賞金の大会が続くため、誰が賞金王になってもおかしくありません。2017年シーズンの最後に笑うのは誰か? まだまだ目が離せませんね。

写真/有原裕晶、姉﨑正

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