ケガとの戦いだった2017シーズン。来シーズンは復活なるか?
ネクスト・タイガーの一番手としてタイガー本人も後継者に指名していたマキロイのこの1年はケガとの戦いだった。
年明けに本格始動しようとした矢先、肋骨の疲労骨折が発覚し数試合を欠場。8月の全米プロゴルフ選手権のあとは背中の痙攣と左腕の痺れを訴え、シーズン終盤は思うようなゴルフができなかった。
4月にはアイルランドのアシュフォード城でかねてから交際していたアメリカ人のエリカさんと豪華な挙式を挙げ祝福ムードに包まれたが全米オープンで予選落ち。
地元で行われた欧州ツアーのアイリッシュオープンやスコティッシュオープンでは相次いで決勝ラウンド進出を逃す意外な展開。全英オープンでは4位タイに入りなんとか面目を躍如したが、プレーオフシリーズでも優勝争いはおろか下位でのプレーを余儀なくされた。
そして今年最後の試合となった欧州ツアーのアルフレッドダンヒル・リンクス選手権でも精彩を欠き、聖地セントアンドリュースでの最終日はイーブンパー72と平凡なスコアで63位タイ。不本意なシーズンを締めくくった。
「まるで今年の自分のゴルフを象徴するようなラストラウンドだった。可もなく不可もなし。なにも起こらず足踏みするしかない……」そう自嘲気味にシーズンを振り返ったマキロイ。
だが成績が低迷した2013年のことを例に挙げ「2014年にはバウンスバック(復活)したから、悪かった今年の鬱憤は来年晴らすよ」と来シーズンの復活に意欲を燃やしている。
確かに未勝利に終わった翌年(2014年)に全英オープン、全米プロを制しメジャー2冠を達成するなど本人のいう通り見事なバウンスバックだった。ということは来年、悲願のマスターズ制覇でキャリアグランドスラムを完結させたいということだろう。
タイガー・ウッズも勝てなくなったのはケガの影響が大きい。ゴルフを長くやっているとあちこちに不具合が出るものだが、トップの選手たちはケガと折り合いをつけながら選手生命を伸ばす努力を続けている。
ベルンハルト・ランガーはケガを知らない。本人いわく「試合前の準備を怠らないから」だという。さらに食生活にも気をつけている。脂っこいものは避け、野菜中心にバランスよく食べる。それは世界で160勝以上挙げている81歳のゲーリー・プレーヤーにも通じる姿勢。
寸暇を惜しんでトレーニングに勤しみ「腹筋は毎日300回する」と豪語するプレーヤーは、糖質や脂質を抑え「あなたたち(日本人)のおじいさんやおばあさんが食べてきたような玄米、魚、野菜、ナッツなどを中心に摂っています。ゴルフ界でも食の意識改革が必要。バターやベーコンは体に毒。アメリカ人の真似をしちゃいけません」と熱弁を振るう。
マキロイの食生活まではわからないが、レジェンドたちの言葉を一考する価値はありそうだ。
写真/姉崎正