“神の子”セルヒオ・ガルシアにとって激動の1年
37歳になっても一向に少年っぽさが抜けないガルシアを今回はあえて“ガルシア君”と呼ばせてもらおう。憧れのセベ・バレステロスが生きていれば60歳の誕生日を迎えた2017年の4月9日、ガルシア君は人生で初めてメジャーチャンピオンに輝いた。そうマスターズで優勝を飾ったのだ。
彼は言った。「メジャーに勝っても僕はなにも変わらない。相変わらず間抜けでトンマなガルシアさ」
デビュー間もない19歳のころ全米プロゴルフ選手権でタイガー・ウッズと優勝争いを演じて以来「次にメジャーに勝つのはガルシア」といわれ続けながら勝てず、本人すら諦めかけていたとき掴んだ思わぬご褒美。
とっぷりと日が暮れ、煌々と月が輝くオーガスタの夜空を仰ぎ見て「あなた(セベ)の手を感じました」といったガルシア君のいたずらっ子っぽい笑顔が忘れられない。
しかもガルシア君には至福のときを分かち合う最愛の人がいた。それは婚約者アンジェラ・エイキンスさん。
その後2人は正式に結婚。7月31日には盛大なウェディングパーティを行い、マスターズ勝者に贈られるグリーンジャケットを身にまとい新婦とダンスを踊ったのだった。
さらにさらに、10月11日にはツイッター上で妻の妊娠を報告。「我々夫婦にとってのベストニュース!! ガルシア二世が来年の3月に誕生します」と呟いた。
まさに盆と正月が一緒にきたような状態だが、もうひとつうれしい知らせが。アンダルシア・バルデラマ・マスターズの直前、ガルシア君はヨーロッパツアーの終身名誉会員に指名されたのだ。
欧ツアー53人目、スペイン勢ではセベ、ホセマリア・オラサバルに次ぐ3人目の快挙。「僕にとって欧州ツアーは思い出多き大好きな場所。セベやオラサバルと肩を並べることができるなんて身にあまる光栄。本当に特別なことです」とガルシア君は感無量だった。
かくして2017年は彼にとって決して忘れられない1年となったのである。さぁ、父となる来年も幸せは続くのか? と思ったところで気になるニュースも。
15年間専属契約を結んでいたテーラーメイドが去る9日ガルシア君との決別を発表したのだ。お互い「理解した上での円満合意」だというが、これはなにかの予兆なのか? 今後が楽しみのような怖いような気もするが……。
ちなみに優勝したアンダルシア・バルデラマ・マスターズでは変わらずテーラーメイドを使用していたようだ。
写真/姉崎正