傾斜に対して“斜め上から”
ーーバンカーの左足上がりの傾斜にボールが止まっています。ピンまで、15ヤードくらいでしょうか。
「パー圏内につけるなら、このライから、アゴを越すだけではなく、それなりに距離を出したい状況ですね」(今井、以下同)
ーー難しそうですね。
「左足上がりの状況は、アゴが近いので、アゴの高さに気を取られがちですが、その前に、まずしっかりとライを見てください。左足上がりの傾斜にボールが止まっているということは、砂がフカフカだったり、わずかであっても、ボールが沈んでいるということです」
ーー本当ですね。少しでも沈んでなければ、ここには止まりませんからね。
「まずは、ボールが沈んだライをちゃんとわかった上で打たなくてはなりません。傾斜に対して横からヘッドが入ると、ボールの下までヘッドが届かずに“ダフって飛ばない”ミスになるんです。上り傾斜に対して、斜め上からヘッドを入れることが重要なんです」
ーー左足上がりのバンカーは、ボールが沈んでいるんですね。
「そう。だからこそ、ヘッドが自然に斜め上から入る構えが必要です。と言っても、難しく考えることはありません。左足上がりの傾斜で、最も安定するように立てばいいんです」
ーー高いアゴを越そうと、傾斜なりに立つ人が多いですよね。
「その構えでは、ヘッドが横から入って、沈んだボールの下にヘッドが届かないことと、右足に体重がかかりすぎて、切り返しで右足の足場が崩れて大ダフリになりやすいんです」
ーー少数派で、「バンカーはとにかく打ち込む」と、左足体重の人もいますが......。
「おすすめは、その2つの中間的な構え。上体を真っすぐにして、クラブを振ってもバランスを崩さないようにします。これが、傾斜で一番安定し、かつ、自然に上からヘッドが入って抜けていく構えです」
寄せるのが難しい左足上がりのバンカーも、やり方さえわかれば強くない。まずは、構え方から見直そう。
写真/増田保雄
(週刊ゴルフダイジェスト2017年10/31号より)