風に強くて飛ぶのに、フィーリングは軟らかい
ブリヂストンの「ツアーB X」が7月の「セガサミー」での投入後、「ダンロップ福島オープン」の宮本勝昌、「ダイヤモンドカップ」の片岡大育、「ホンマツアーワールドカップ」の宮里優作、「ブリヂストンオープン」の時松隆光と早くも4勝を挙げている。「ツアーB X」ボールがこれらの勝因の一つになったのは間違いないはず。池田勇太も、このボールのプロトタイプを使用している。今一番勢いがあるボールと言っても過言でないツアーB X。一体何がいいのか探ってみた。
実際にコースで試打したプロゴルファー中村修によると、「まずドライバーショットの弾道、飛び方がいいんです。スピン量が抑えられて、高い球で落ちてこない、いわゆる大きな弾道でドローンと飛ぶ。アプローチのフィーリングも前作のB330Xよりも軟らかくなった感じがあります」とのこと。
ゴルフライターの児山和弘氏は、シーズン途中から多くのプロがこのボールを使用した背景をこう分析する。
「やはり風に強くてスピンが少なく、飛ぶというのが評判になっているのだと思います。その証拠に、ジャンボ尾崎プロ、時松プロなど契約外の使用が多いですよね。“X”の名のつくボールは硬いボールが多いのですが、ツアーB Xは女子プロの使用が多いことからもわかるとおり、フィーリングが軟らかいのも特徴です」
プロがシーズン途中でボールを変えることは決して多くあることことではない。なぜならアイアンの距離感やパットのフィーリングに大きく影響があるからだが、ツアーB Xの場合「ロングゲームのスピン量が減って飛距離が伸びた一方で、アプローチでのスピン性能やフィーリングが向上した」(中村)ことで、スムーズな移行がされているようだ。
タイガー・ウッズやマット・クーチャーも使うブリヂストンのボール。世界のプロツアーで使用率NO.1の王者、タイトリストのプロV1との戦いも、賞金王争いと合わせて、注目したい。