ウェッジは“8割”がフルショット
ーー60、70、80ヤードくらいのSWのフルショットの距離は、チャンスのはずなのになぜかトップしたり引っかけたりくぐってしまったりといった、もったいないミスが多く出ます。これってどうしてでしょうか?
芹澤:そもそも、ウェッジでフルショットしてしまうのが問題です。ウェッジを強振するのは難度の高いショットなので、チャンスにつけたいのなら避けるべきです
ーーでも、刻むときは「ウェッジのフルショットの距離を残せ」なんてよく言われます。
芹澤:それは“フルショット”の基準が間違っているんです。プロにとってのウェッジの“フルショット”は力感的には80パーセントくらい。100パーセントのスウィングは、特殊な場合的にはほとんどしませんよ。
ーーそれはどうしてですか?
芹澤:アップライトでロフトが多いSWを強振すると、どうしても手の動きが過剰気味になり、入射角が鋭角になったりインパクトが、“点”になってしまうため、引っかけも出やすいし打点がズレて距離がバラつく危険が一気に高くなるんです。それに、目いっぱいの距離を打とうとして力むのも、トップしたりヘッドがボールの下に潜るようなミスの原因になります。
ーーではどうすれば精度を上げられるんでしょう?
芹澤:番手を上げて8割のスウィングをすることに尽きます。60、70、80ヤードくらいなら、50~52度のAWのほうが絶対にミスが少なくなるはずです。手の動きを抑えて体の回転に主体を置いてスウィングすれば、インパクトが幅を持った“ゾーン”になって方向性が高まりますし、打ち出しやスピンも安定します。
ーーなるほど。ウェッジはとくに、振りすぎはダメなんですね。
グリーンから80ヤード以内からきっちり寄せることができればバーディチャンス! SWでフルショットせず、AWを使って8割ショットを心がけよう。
この記事は、発売中の月刊ゴルフダイジェストの特集「60、70、80ヤードはSWより『AW』が寄る!」より。もっと詳しくは本誌にて!
写真/田中宏幸