花道から30ヤードのアプローチ、ピンは手前。寄せワンを取るには、エッジとピン間の5ヤード地帯に止めたい。「夏なら一本調子のピッチ&ランでOKですが、冬芝、冬の地面、冬の速いグリーンで考えると、かなりシビア」と話すのは里祐太郎プロ。冬の花道からきっちり寄せ切る「距離感」を教えてもらおう。

冬は夏以上にライの見極めが重要

ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):距離は30ヤードですが、ピン位置がエッジから5ヤードという状況です。

里祐太郎(以下里):夏の花道なら、フカフカの絨毯ですから、SWで普通に打っていってもピンの近くに止められますが、冬はそうは簡単にはいきません。

GD:というと?

里:冬は芝が枯れてボールが浮きにくくなるため、ライの見極めが夏よりも重要です。それと、グリーンが硬く凍りがちだと、スピンでは止められません。

GD:ライとグリーンの両方とも難しくなるんですね。

里:グリーンが砲台だったりすると、上につけると3パットしそうだし、ショートするとボールが戻ってきそうで、見た目よりずっと難しいアプローチになるんです。

GD:なるほど、わかります。

里:まずは、冬の花道でも芝があって、球が上げやすいライからいきましょう。いちばん距離を合わせやすく、基本になる寄せ方です。ちょっと上げてピンの根本に落として、高さでボールを止める“ハーフロブ”です。

画像: 「球を高く上げるためには、ゆるやかなフェースターンが大切。フォローでフェース面とお見合いするように振ればOK。フェースを急いで返すと、低く強い球になってしまいます」(里)

「球を高く上げるためには、ゆるやかなフェースターンが大切。フォローでフェース面とお見合いするように振ればOK。フェースを急いで返すと、低く強い球になってしまいます」(里)

GD:ロブショットではなく、ハーフロブなんですね。

里:ロブショットほど速く大きく振らないので、アマチュアのみなさんでもコツをつかめばできると思いますよ。

POINT:「蝶グリップ」でボールを上げよう

「ジュニア時代からソフトな球を打つときに使っていたバタフライ(蝶)グリップです。右手も左手も深く握ると、手の中で隙間ができて指先でソフトにグリップできます。これで、ボールも高くやわらかく上がるんです」(里)

画像: 両手を蝶のように広げてから握ればバタフライグリップのできあがり

両手を蝶のように広げてから握ればバタフライグリップのできあがり

「フェースの上目に当たってボールが高く上がる感覚を身につけるために、低めのゴムティでティアップした球を打ちます。慣れてきたら、ノーティアップでも練習してください」

画像: 「ハーフロブを打つときは、アドレスで重心をしっかり落としておきます。ちょうどバンカーを打つときと同じ感覚。これが球をやわらかく上げられる構えです」

「ハーフロブを打つときは、アドレスで重心をしっかり落としておきます。ちょうどバンカーを打つときと同じ感覚。これが球をやわらかく上げられる構えです」

夏以上にライの見極めが大事な冬ゴルフ。ハーフロブでピンそばにピタリと寄せよう。

(週刊ゴルフダイジェスト2016年1/10・17号より)

写真/増田保雄

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