グリーンに直接キャリーさせちゃダメ!
凍ったグリーンを攻める際には、グリーンにキャリーで落とさずに、ランが多く出ることを計算して、キャリーとランのトータル距離を上手に計算しなければならないと小野寺プロは言う。
「基本的に冬は、グリーンの手前、花道にキャリーさせ、そこから転がしてピンに寄せていくという狙い方をします」(小野寺プロ)
ピンまで140ヤードだとしても、エッジまで何ヤードで、エッジからピンまで何ヤードなのか。エッジまで120ヤードならキャリー120ヤードのショットをして20ヤード転がす。エッジまで130ヤードならキャリー130ヤードのショットをして10ヤード転がす。冬のアイアンショットをピンに寄せるためには、ランの計算は必須だ。
そのためにまず何より大事なのは、「自分のアイアンショットのキャリーとランを知ること」だと小野寺プロは言う。
「アマチュアの場合、自分の各番手のトータル距離は知っていても、その内訳を正しく知らない人がほとんど。8番アイアンでトータル140ヤードの人はおそらくそのうち10~15ヤードがランのはず。それをちゃんと理解して、どこに落とすかを計算して狙いましょう」(小野寺プロ)
ピンが奥ならあえて番手を上げる判断も
このキャリーとランの比率は、打ち方によっても変わる。それを応用すれば、凍ったグリーンの奥にピンが切ってあっても、うまく寄せるショットが可能だという。
「同じ距離をキャリーするショットでも、番手を上げて振り幅を抑えると、球の高さが低くなり、スピンも減るのでランが増えます。ですので、たとえばピンが奥に切られていて、エッジまで115ヤード、ピンまで140ヤードというような状況では、あえて番手を7番に上げてスリークォーターショットをするんです」(小野寺プロ)
エッジまで115ヤードだから、と番手を9番アイアンに下げてしっかり打ってしまうと、今度はランが足りずにピンよりずいぶん手前に止まってしまう。そこで、7番アイアンのスリークォーターショットで、115ヤードキャリーさせると、ランはフルショットの場合よりも多く20~25ヤードくらい出て、エッジに落ちてピンまで転がる球になるというわけだ。
スリークォーターショットは、右つま先を少し閉じる
とはいえ、スリークォーターショットは難易度が高いと感じる人も多いはず。そこで、小野寺プロにスリークォーターショットを成功させるコツを聞いた。
まず、スウィングがゆるまないよう、クラブヘッドを顔の高さに上げてセットしたところからクラブを下げ、わきに締まりを作ってから前傾し、アドレスするのがポイントだという。
「構えたときに、右足のつま先を少し閉じて、ターゲットラインに直角くらいにして構えると、バックスウィングがコンパクトになりやすいですよ」(小野寺プロ)
ピンまでの距離だけでなく、どこに落とすか、どのくらい転がすかを計算して狙うことが冬ゴルフの鍵。これが身につけば、冬に限らずマネジメントの幅が格段に広がること間違いなしだ。
写真/田中宏幸 協力/東松苑ゴルフ倶楽部