ねじれたフェースがスライス、フックを軽減する!?
M3、ならびにM4の最大の売りは、フェース面がねじれた「ツイストフェース」にある。多くのゴルファーは、フェースのセンターではなく、フェースの「トウ側上目」や「ヒール側下目」でボールをヒットしている。そして、トウ側上目に当たるとき、フェースはクローズ(閉じた=左を向いた)状態であり、ヒール側下目に当たるとき、フェースはオープン(開いた=右を向いた)状態なのだという。
要するに、ゴルファーはナイスショットを打つ確率は低く、チーピン(低いフック)やスライスを打つ確率が高いというわけで、アマチュアゴルファーとしては残念ながら(?)大いに納得がいく。
ツイストフェースは、その傾向を把握した上で、トウ側上目はオープンかつロフトが寝るように、ヒール側下目はクローズかつロフトが立つようにフェースをツイスト(ねじる)している。これにより、トウ側上目に当たった場合の低弾道フック、ヒール側上目に当たった場合の高弾道スライスを、それぞれ低減してくれるのだという。
「2018年を境に、テーラーメイドのすべてのドライバーは、このツイストフェースを採用します」(デイビッド・エイブルズ、プレジンテント&CEO)
トップがそう語るだけあって、バルジ&ロールテクノロジー(フェース面をわずかに曲面にする、現在主流のフェース設計)に変わる、ゴルフクラブのイノベーションなのだとテーラーメイドは胸を張る。
さて、ともにこのツイストフェースが採用されたM3とM4は、従来のM1とM2の関係に相当する。つまり、M1は移動可能なウェートによる重心位置の調整が可能で、M2はその機能が搭載されていない代わりに、ミスヒットへの強さと、打感・打音の良さを併せ持っている。
M3は来週開催されるPGA(米男子)ツアー「ファーマーズ・インシュランス・オープン」でタイガー・ウッズが使用予定。M4は2017年度のトーナメント優勝者だけが出場できる「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で優勝したダスティン・ジョンソンが使用し、433ヤードのパー4であわやホールインワンというショットを放ったことで、すでに話題となっている。ちなみに、同試合で2位だった世界ランク3位のジョン・ラームもM4を使用している。
発表会でのプレゼンテーションから受けたのは、ゴルファーが常にナイスショットするわけではないことを前提としたクラブという印象。ゴルフがミスのゲームである以上、なかなか芯に当てられない我々アマチュアゴルファーにとっても、好印象の持てるクラブと言えそうだ。
キャロウェイからは2017年最大のヒット作「エピック」の後継機的存在(実際は新シリーズ)となる「ローグ」が発表されたばかり。国内メーカーに目を向ければ、2017年12月に発売されたゼクシオ テンがセールス好調。幕を開けた2018年のドライバー春の陣、ゴルファーの嬉しい悩みはますます深まりそうな気配だ。