三本のサイトラインで方向性を整える
いかに、フェース面を目標に対して正しく向けられるか。これは、入るパットのためには、絶対に必要な条件の一つです。
しかし、先に述べたとおり、アマチュアの傾向としてフェースを開いてセットしたり、体自体が右を向いて構えるタイプが圧倒的に多い。また、メガネをかけている人ならレンズの歪みや、ボールをどこから見るかによっても変化するかもしれません。そのようなクセを解消し、狙いどおりに構えるために有効なのが、パターヘッドに描かれた線(サイトライン)です。
多くのパターのヘッド上部には、線が描かれています。いずれも目標に対して真っすぐ構えるための工夫ですが、最近はこれが非常に多様化しています。一本線のもの、T字型に入ったもの、あるいは複数の線が描かれているものもあります。
人の目というのは、簡単に錯覚を起こしてしまうものです。パターの線が一本だと、その線がどこを向いているのかがわかりにくくなりやすいのです。しかし、フェースのセンターを基準にその左右に線が三本引かれていると、「幅のある帯」のように見え、その太い帯に対して構えられるので、目の錯覚やラインの歪みが起きにくく構えやすくなります。
実は、私が開発したパターも三本の線を入れており、これだけでも目標に対して直角にフェース面を合わせやすい効果があることは実証されています。
構えに不安がないとストロークも良くなる
さらに、最近のパターは、この三本の線に加えて、さまざまな工夫がされるようになってきました。ただの三本線だけでなく、たとえば、赤い三本の線にプラスして白いペイントが施されているパターもあります。
三本線だけでも効果は高いのですが、そこに白くペイントしたことによって、黒いヘッドとのコントラストが強調されて、ラインのイメージが出やすい。線というより、二つの白い四角形が付いているような感じに見えて、目標に向けて構えやすくなります。また、センターの白い部分が強調されるため、小さな白いパターで打っているような感覚にもなり、集中力が増す効果も期待できます。
線があることによって、構えたときに「方向を間違えていないか」という不安な気持ちにならず、自信をもってストロークでき、インパクトが緩んだり体が動いたりというミスを防ぐことができます。
たかが線ですが、されど線。方向性に不安を持っているなら、一度自分のパターの線を見直してみることをお勧めします。
「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より