ボールに近く立ってバウンスを消す
地面が凍っている場合、とくに短い距離のアプローチでは振り幅が小さくヘッドスピードが上がらないため、ソールが地面で跳ねやすいので注意が必要だと小野寺プロ。
「本来、ウェッジのバウンス(ソールの出っ張り)は、ミスを助けてくれるお助け機能なのですが、下が凍っているような場合に限っては、フェースがボールと接触する前にこのバウンスが地面にぶつかって跳ねてしまい、トップなどのミスの原因になる場合があります。ですので、冬の朝のアプローチではバウンスが邪魔にならない構え方、打ち方をする必要があります」(小野寺、以下同)
ウェッジのバウンスでとくに邪魔になりやすいのはヒール側。そのヒール側のバウンスを殺すためには、クラブのヒール側を少し浮かせるようにして構えるといいという。
「普段よりも、ウェッジのトウ側を使ってボールを拾うようなイメージで打つことが大事です。そのためには、クラブを短く持ってボールに近く立ちます。そうすると、ソールのヒール側が少し浮くような形になります。この状態で打てば、固く凍った地面でも跳ねずにボールだけを拾えます」
ボール位置は、右足のかかと前が基本。そしてボール位置が決まったら両足をかかと中心に反時計回りに動かし、つま先を少しだけ目標方向に向けて構えるのがポイント。
「つま先を左に向けて構えると、バックスウィングで少し体が回りにくく窮屈な感じになります。これによってバックスウィングで体が回りすぎてゆるむリスクが減り、ダフリにくくなります」
ポイントは、ソールが跳ねにくい構えを作ったら、スウィングでは余計な小細工をしないこと。普段どおりにスウィングすればソールが跳ねない準備をしているのだから、あとは「普通に」打つだけでOK。
この打ち方は、ベアグラウンドなど地面が固い状況などでも応用できるということなので、ぜひとも身につけておきたいテクニックのひとつ。寒さに負けず冬こそラウンドに行ってみよう。
写真/田中宏幸 協力/東松苑ゴルフ倶楽部