52度をちょい開き。真っすぐ軌道で10センチ手前にヘッドを落とそう
ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):SWよりも52度のウェッジがいい理由を教えてください。
今野康晴(以下今野):バウンスの大きいSWでフェースを開くと、バウンスが効きすぎて砂の中に潜らないことがあります。「トップしがち」という人は、52度で少し開くと、バウンスが出すぎず、ヘッドが砂に入りやすくなります。
GD:他に利点はありますか?
今野:開いてもSWよりロフトが立っているので、前に飛ばす力も大きくなり、パワーも必要ありません。若干ですが、長さもSWより長いので、ヘッド速度が上がって砂を爆発させやすいんですよ。

52度はバウンスが邪魔にならないため、ボールの下にヘッドが入りやすい。さらに、SWよりもロフトが立っているので、前に飛ぶ力が強くなる
GD:打ち方は、やっぱりカット軌道で振ったほうがいいですか?
今野:その考えがそもそも間違いです。我々はストレートに振りますが、多くの方は『バンカーはカット軌道』と先入観を持って、切るように振るので、力のベクトルを分散させてしまう。
GD:では、スタンスなりでいいんですね?
今野:そう。ヘッドの落とし場所に集中して、52度でスタンスなりに振れば綺麗に抜けます。
GD:落とし場所の目安は?
今野:ヘッドを落としたい場所にセットして構えればOK。ボールの10センチくらい後ろが目安です。アバウトにセットしているから、もっと手前に落ちてしまうんですよ。

ボールの後ろ10センチを落とし場所にする。「52度のちょい開きなら、10センチ手前でも十分出ます」
バンカーがどうしても苦手だというゴルファーでも、「52度をちょい開き」を合言葉にすれば、簡単に出せそうだ。
今野康晴(いまの・やるはる)。1973年生まれ。長年ツアーの第一線で活躍し、ツアー通算7勝を挙げた
(週刊ゴルフダイジェスト2017年2/14号より)
写真/有原裕晶