アマチュアにとって少しでも気を抜くと3パット、4パットなんて当たり前のこと。1ラウンド・18ホールの中では、ほとんどの局面でパットをするのでスコアにも大きな影響を与えてしまう。そのことに対してパット研究家の星谷孝幸氏は、入れにいくことが3パットに繋がってしまうと話す。一体、どういうことだろう? 著書「入っちゃう!パットの法則」から3パットをしないマネジメントをご紹介。

パットを「入れにいく」と3パットを招く

なぜ、3パットや4パットをしてしまうのでしょうか。

その理由は簡単。ファーストパットで「入れにいく」からです。「なぁんだ、そんなことか」と思うかもしれません。でも、ほとんどの3パットが「そんなこと」が原因で起こっているのです。

プロの場合、常にカップに入れることしか考えていない「勝負師」はいますが、アマチュアの方の場合、「入れにいく」ということは3パットと背中合わせであることは間違いありません。カップをオーバーするケースが多い強気な人ほど、3パットの危険性は高い。これは、統計的にも証明されています。

ボールを投げることをイメージしてみてください。「的に当てよう」と思えば強く投げますよね。入れにいくパットとは、まさにそんな感じ。しっかり打とうとするため、その距離に対してタッチが強すぎてしまうのです。的当てなら、仮に外れてもそれ以上の傷口は広がりませんが、パットでは大問題になります。長い返しのパットが残り、簡単に3パットや4パット、ということになってしまうのです。

3パットをしないためには、「的に寄せる」気持ちで打つことが大切です。「あそこに止めよう」と思えば、自然にそっと打つようになり、距離感が合ってくるはずです。

画像: 1発で決めようとすると状況によっては3パットのリスクが高い

1発で決めようとすると状況によっては3パットのリスクが高い

ただし、こんな方法もあります。たとえば、1.5メートルの距離のパットを入れたいと思ったら、半分の距離である75センチの距離をしっかり打つ。入れにいくパットというのは、狙った距離のおよそ倍の距離を転がすという現象があるので、これを逆手に取るのです。とはいっても、グリーンの速さで距離は半分だったり、3分の2だったりしますが、ちょっと速いグリーンであれば、半分の距離をしっかり打つようにするといいでしょう。

1発で入れにいこうとする気持ちが3パットを招くと言いましたが、それだけではありません。

グリーンには傾斜があり、傾斜の途中にカップが切れられていることがしばしばあります。そうなると、思いのほか難しいパットが残って3パット、というケースもよくあるでしょう。こういうときにポイントになるのが、ファーストパットでどこを狙うか、ということです。

傾斜にカップが切られている場合、セカンドパットで真横のラインや曲がる下りのパットが残ると、3パットの確率は高くなってしまいます。上りのパットの場合、上りだからといって強く打つと、外れたときに下りのラインが残りやすいので、やや弱めの力加減で打つことが必要です。かつ、横からの曲がるラインも残したくないので、ふくらませないラインで狙っていくべきでしょう。

下りのパットであれば、上りのラインが残るようにやや強めに打ち、確実にカップを超すことが大切。こちらも上りと同様に山をかけずに薄めのラインで、入る確率の高いセカンドパットが残るようにします。

もちろん、この方法では1パットで入れることは難しくなりますが、2パットで収められる確率は格段に上がります。

3パットや4パットというのは、プレーのリズムが狂いやすい大きな原因の一つです。心に波風の立たないパットの狙い方を覚えておくことで、スコアはまとまるようになるのです。

「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より

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