今どきのドライバーはヘッド体積が大きくて、スウィートスポットも広い。打点のブレに圧倒的に強い設計になっているのに、なぜ曲がってしまうのか。「曲がる根本的な理由は、打点によるものではありません」というのは、20年にわたってゴルファーのスウィング研究をしている宮川まもるプロ。曲がる原因と改善方法を解説する。

ヘッドの重心を利用するのがコツ

ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):今どきのドライバーは真っすぐ飛ばせると聞きますが、それでも曲がってしまいます。どうしてでしょうか?

宮川まもる(以下宮川):大型ヘッドは重心深度(フェースの中央から重心までの距離)が深くて、ヘッドの重心を上手く利用すればインパクトエリアでフェースがターンしやすい。結果としてインパクトの瞬間にフェースがスクェアに戻りやすくなります。それでも曲がるのはインパクトでフェースが大きく開くのと、軌道のブレの2つが原因です。

GD:たしかに振り遅れてフェースが開いて当たる感じがします。

画像: 【アウトアッパー型】バックスウィングで体重が左足に乗り、その反動でダウン以降は体重が右足に乗り、クラブがアウトサイドから下りてアッパーにかち上げる動き

【アウトアッパー型】バックスウィングで体重が左足に乗り、その反動でダウン以降は体重が右足に乗り、クラブがアウトサイドから下りてアッパーにかち上げる動き

宮川:よく100を叩いてしまう人に多いのが、クラブがアウトサイドから下りて、ボールをアッパーにとらえるアウトアッパーです。インサイドから極端に低く下りてアッパーに打つ超インアッパーは90台で回れるレベルの人に多く見られます。実を言えば一般のアベレージゴルファーの約7割がどちらかに当てはまっているのです。

GD:悩んでいる人がそれだけ多いということですね。

画像: 【超インアッパー型】ドローを打つ人はインサイドから振り下ろし、ややアッパー気味に打っている。ところが、ダウンスウィングからインパクトにかけて手元が浮くとクラブが寝て下りてきて、フェースが大きく開いてしまう

【超インアッパー型】ドローを打つ人はインサイドから振り下ろし、ややアッパー気味に打っている。ところが、ダウンスウィングからインパクトにかけて手元が浮くとクラブが寝て下りてきて、フェースが大きく開いてしまう

GD:まずアウトアッパー型のスウィングですが、直すにはどうしたらいいのですか?

宮川:クラブがアウトサイドから下りて、インパクトでフェースが開くのが原因と聞くと、みなさんはダウンスウィングを一生懸命直そうとしますよね。でもアドレスから根本的に直さないとダメです。

GD:どういうことですか?

宮川:アドレスで軸が左に傾いてバックスウィングでさらに軸が左に傾くと、その反動でダウンスウィングでは軸が右に向いてしまいます。左腕を長く、右腕を少し縮めるようなy字の姿勢で構えれば一発で直りますよ。

画像: 左腕を長く右腕をやや短くしたy字型のアドレスをつくろう

左腕を長く右腕をやや短くしたy字型のアドレスをつくろう

GD:なるほど。y字に構えるとバックスウィングでクラブをインサイドに上げやすいし、軸もブレなくなりますね。

宮川:ダウンスウィングでもクラブがインサイドから下りて、ボールがつかまりやすい。球が大きく曲がる人はスウィングよりも、アドレスを疑ってみることが大事ですね。

左腕を開いて戻す「正しい反動」を利用

宮川:超インアッパーになりやすい人はアドレスの姿勢はよいのですが、テークバックの始動に問題アリです。

GD:テークバックのどんな動きがいけないのですか?

宮川:今どきのドライバーはフェースターンを抑えて打つのがいいという話を聞いたことがありませんか?

GD:はい、あります。テークバックではフェースを開かないように、シャットに上げていくのがいいとか……。

画像: 両腕の回旋でフェースが少し開きながら上がっていく

両腕の回旋でフェースが少し開きながら上がっていく

宮川:でもシャットフェースに上げるということは、両腕を左に回しながらクラブを上げることになります。その動きが極端になると、反動によって切り返し以降で両腕が右に回ってしまいますよ。

GD:反動が悪い方向にいってしまうのですね?

宮川:確かに過度なフェースターンはいけません。でも、テークバックでは左腕主導で両腕を右に回旋し、インパクトで左腕を元に戻す左腕の開閉とフェースターンは絶対に必要です。左手を下げ、右手を引き上げて左腕を正しく右に回す動きを覚えましょう。

この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2018年2/27号の特集「ドライバー『曲がらない』打ち方」の一部。最近の“曲がらないドライバー”の恩恵を受けるためのコツが本誌では盛り沢山。修正ドリルも載っているので、続きを確認しよう。

写真/増田保雄

This article is a sponsored article by
''.