タイガー、ツアー復帰から3戦目。2週連続出場となったホンダクラシック初日、強風の難コンディションのなかイーブンパー70で回り「今日の内容にはとても満足している」と納得の表情を浮かべた。マスターズまでおよそ5週間。果たしてタイガーは前進しているのか?

「復活は近い」とマキロイは言うが……

ジェネシス・オープンは予選落ちに終わったが「ここ数年競技から遠ざかっていたから、すべてが新鮮で楽しかった」とタイガーは白い歯を見せた。本人の言葉によると必要なのは「もっと試合に出ること」。失われた試合勘を取り戻せば再び上位争いに加われると感じているようだ。

同じ組で回ったローリー・マキロイも「復活は近いと感じた。すぐそこまできている」とタイガーのプレーを評価。

ジャスティン・トーマスは「予選落ちはマナーを無視して絶叫しまくったギャラリーの影響もある。いまも昔も彼が世界最高のゴルファーであることに変わりない。すごいプレーヤーだよ」と絶賛している。

ではタイガーに足りないものはなんなのか? 本人は「試合勘」であり「場数」というが、ここ数試合のデータを見るとフェアウェイキープ率の低さ(50パーセント前後)が気になる。一説によるとテーラーメイドのM2からM3に変えたことでスピンコントロールに違和感があるという話も。

「練習やプライベートのゴルフではうまくいっている。ただ試合は話が違うからね」とプレッシャーがかかった場面でのコントロールがいまひとつであることを認めている。

かつて必ずピンハイにつけていたアイアンのキレも「もっとシャープさが必要」(タイガー)。ただこれはフェアウェイキープ率が上がれば自ずと上がってくるだろう。

目下最大の武器はショートゲーム。2、3年前アプローチイップスといわれたときはトップを連発し、周囲のプロが心配し練習場でタイガーに教え始めるほど酷かったが、それが嘘のように最近は長短自在に球を操っている。パッティングしかり。データ以上に上手さが光る。

これらを総合するとフェアウェイの広いオーガスはタイガーにとっては格好の舞台になるのかもしれない、という予感がする。

プロデビュー翌年(97年)のマスターズでは初日のフロント9でオーバーを叩きがっくり肩を落としたが10番のティで前の組が詰まっていたため待っていると、後ろを回っていたマーク・オメーラがやってきて隣に腰を下ろした。そのとき年上の親友がかけたちょっとしたひとことがバック9のチャージにつながり、後続に12ストロークの大差をつけ記録づくめの圧勝につながった。

家が近所で普段から仲の良かったオメーラがかけたひとことは「いつも練習でさんざん僕のことを負かしているだろ? その調子でやらなきゃ!」だった。

画像: 翌年98年のマスターズではマーク・オメーラがマスターズを制覇している

翌年98年のマスターズではマーク・オメーラがマスターズを制覇している

練習と同じことをメジャーでやる。いまのタイガーにそれができれば奇跡の復活劇もあり得るかもしれない。

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