ゴルファーにとって風は頭を悩ませる問題。ボールの飛びに風向きや風速が密接に関わり、それを読んで打たなければならない。もちろんそれはパットでも同じこと。パットを専門的に研究している星谷孝幸氏も、風がパットに与える影響は大きいという。風の日のパッティングのコツを、著書「入っちゃう!パットの法則」からご紹介。

風はボールだけでなくストロークにも影響を与える

ゴルファーにとって、風は大敵。当然、パットでもその影響は少なくありません。

風の力を考えたときに、影響は大きく分けて二つあります。一つは、ボールへの影響、もう一つはストロークに与える影響です。

ボールに与える風の影響は、空中を飛ぶボールに比べれば小さいものの、無視できるものではありません。例えば、初速2メートル毎秒のパットを想定すると、速さ8フィートのグリーンで1.59メートル、12フィートだと2.2メートル転がる力を持っています。一概に比較はできませんが、風速2メートル毎秒の風には、同じような力があるということになります。

もし、ガラスなどの摩擦の非常に少ないものの上にボールを置いて風圧をかけたとしたら、風がそれなりのパワーを持っていることは想像できるでしょう。ですから、グリーン上でも風向きを気にすることは必要なのです。

特に、上りのパットのときの向かい風、下りのパットのときの追い風では、それぞれ遅い、速いが増長されるので、それを見越したパットが必要になります。

画像: 強風はストロークが安定しない原因となる

強風はストロークが安定しない原因となる

また、風速7~8メートル毎秒の強い風(ウェアが風でバタバタと音を立てるぐらい)の場合、ボールへの影響はさることながら、向かい風では腕が思うように前に動かずショートしやすいですし、追い風ではフォローで風に腕が押される形になり、思いのほか強くヒットしてしまうことになります。これこそが、ストロークに与える影響であり、風の強い日は、特にリズムの変化に注意が必要です。

これ以外にも、風がストロークに与える影響として、体がブレやすくなることがあります。普段、体を起こして構え、両腕と肩で作られる形が三角形になる人は、重心が上にあるぶん体がグラつきやすく、腕も風を受けて軌道が乱れやすくなります。風の日はどっしり低く構え、上腕を胴体とピッタリ密着させるようにすれば、風に影響されにくいストロークができます。

「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/平賀元

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