トスするのと同じ感覚なら打てる
ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):飯島プロはそもそもアプローチをどう考えていますか?
飯島茜(以下飯島):たとえばボールを投げるとします。そのとき、どこまで手を上げてとか、どこまで腕を振ってとか考えませんよね。アプローチもそれが理想なんです。
GD:というと?
飯島:落としたい場所まで、ボールを投げるように打つんです。右手が利き手なら、右手でトスするように、クラブでボールをトスしてあげる感覚です。

「ボールをトスするように打てば、ランニングアプローチになります」(飯島)
GD:転がしだと、落としどころはすぐ近くですね。
飯島:そうです。だから簡単なんですよ。目の前の落としどころまでトスする。この感覚なら、ゴルファーだったら、誰でもできそうだと思いません?
GD:なるほど。わかります。
飯島:だから私は、4本のクラブを使い分けて、落としどころまでの距離を変えているんです。
GD:打ち方で意識するところはありますか?
飯島:転がしのアプローチでは球を高く上げたくありませんから、ヘッドを上から入れます。上から入れることによって、狙った落としどころにキャリーさせることができるんです。また、ボールを右つま先に置けば、自然にハンドファーストになり、上から打てますよ。

「ハンドファーストのままちょっと上から“コツン!”です」(飯島)
飯島プロによれば、使用するのはエッジまでの距離やピン位置に応じて、8番アイアンからアプローチウェッジまでの4本。8番ならキャリーとランが1:4。9番なら1:3、PW1:2、AWなら1:1というように、番手を変えることでキャリーとランの比率を変えているという。
もっともシンプルなランニングアプローチ。強い味方になるのは間違いない。
(週刊ゴルフダイジェスト2016年4/12号より)
写真/有原裕晶