国内女子ツアーは3月1日のダイキンオーキッドレディスから最長で11月25日のリコーカップまでだ。すると、どうしても12月から3月までの4ヶ月ほどオフの期間ができてしまう。選手にとっては休息や合宿の時期だが、試合毎に給与が発生するキャディにとっては死活問題。では、キャディはオフシーズンをどのように過ごすのだろうか? 女子ツアーのプロキャディとして活躍する佐藤大輔さんに直撃した。

やっぱりそうか! 「ゴルフ場でキャディしています」

2月の最終週に国内女子ツアーが開幕。華やかな女子プロたちの戦いは、11月まで続く。それから2月までのオフシーズン、プロたちは海外合宿やトレーニングなど様々な方法で調整する。スポンサーへの挨拶回りやメディア露出、そしてもちろん体を休めることも重要だ。

一方、話を聞いた佐藤大輔さんらプロキャディたちは、「オフシーズンは無職です」(佐藤さん)となる。もちろん“プロキャディの職は無くなる”という意味なわけだが、では一体どんな仕事をして過ごしているのだろうか?

「仕事に関してはみんなそれぞれだと思います。自分の場合は、ゴルフ場でキャディをやったり、レッスンも少しやったりします」(佐藤)。

中にはゴルフショップなどで店頭に立つなどし、オフシーズンを過ごすプロキャディもいると耳にしたことがあるが、やはり一般的なのはキャディの仕事。普通にゴルフ場にプレーしに行ったら、ついてくれたのが有名プロのバッグも担ぐプロキャディだった! なんてことも起こる。

では、プロのバッグを担ぐときと、アマチュアのプレーをサポートするときで、仕事の内容は変わるのだろうか?

「レベルはもちろん違いますが、仕事として実は大きな差はないんです。たとえばみなさんはグリーン上のラインをキャディさんに聞くと思います。それに対して我々は、そのプレーヤーがどんなタッチでパットするかを判断し、それに応じてラインを伝えます。これはプロのキャディをするときも同じで、そのプロがどういうタイプなのかをまずは理解してからラインを伝えないと意味がないですから」(佐藤)

同じ左に切れるラインでも、ジャストタッチで合わせるならば曲がりの幅は大きくなり、強気に打っていけば曲がりの幅は小さく、ラインは直線的になる。プレーヤーのタッチに合わせたラインを伝えるのは、キャディの腕の見せ所だ。

画像: プレーヤーがどのようなタッチなのかを把握することもキャディの仕事のひとつ

プレーヤーがどのようなタッチなのかを把握することもキャディの仕事のひとつ

もちろんはラインを読むことに関してはプロだが、実際にボールを打つプレーヤーのことを理解してこそ佐藤さんの手腕が発揮されるわけだ。今後、もしゴルフ場でプロキャディとめぐり合うことがあれば、自分が強く打ちたいタイプか、ジャストタッチで打ちたいタイプかを最初に伝えておくと、ベストスコアを楽々更新なんてことも起こるかもしれない。

話は少々脱線したが、プロにとってもプロキャディにとってもオフシーズンは長いようで意外とあっという間に過ぎてしまうようだ。

今週二戦目を迎える女子ツアー。「無職」から「本職」に復帰したプロキャディたちの仕事っぷりにも大いに注目したい。

写真/三木崇徳

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