どうしてピッタリのグローブがいいの?
こんにちは、クラブフィッターの小倉勇人です。今日はゴルフを快適に楽しむための基礎知識「ゴルフグローブの正しい選び方」をおさらいしてみましょう。ゴルフグローブは、利き手の反対側の手に片方だけはめてプレーするのが一般的となっていますが、ルールで決められているわけではなく昔からの伝統といったところ。もちろん両手にグローブをしてプレーをしても良いですし、しなくてもOKなんです。
グローブを利き手の反対にする理由は滑り防止のため。右打ちの場合、左手の役割は主にクラブを支えることで、左手でクラブをしっかり制御しつつ、右手でパワーを伝えるのですが、左手が滑ってしまうと余計な力が入り、スムーズにクラブへパワーを伝えることができなくなってしまうのです。だからこそグローブはできるだけピッタリ自分に合ったサイズの物を使う必要があります。
ゴルフグローブのサイズは、日本手袋工業組合というところの基準にサイズ分けされていて、主に数字で表記されていますが、モデルによってはSやMなどの表記を採用しているものもあります。これが意外とややこしい。メーカーによってもクセがある場合も多いので、自分のサイズの数字はあくまでも参考程度にして、実際にはめて確かめるのが一番! 手のひらが必要以上にきつくないこと、指先が余らないことを確認しましょう。
また、「23」や「24」といったサイズ表記の数字は、「手囲い」の長さで決められています。手囲いとは聞きなれない言葉ですが、日本手袋工業組合の定義によれば、「“左手の生命線の始点”と、“小指の付け根のシワと手首の付け根のシワを結んだときに手首の付け根のシワのほうから1/3の距離にある点”を通って、ぐるりと手のまわりを一周した長さ」。
ごく簡単に言えば、手のひらを斜めに一周した長さ、ということですね。
ちなみにメーカーによっては指の長さにも対応していて、指が短めのものを「キャデット」、長めのものを「ロング」と分けている場合もあります。ゴルフショップでは試着することもできるのでいくつか試着し、自分にピッタリくるメーカーを覚えておくといいでしょう。
素材は大きく分けて「天然皮革」と「合成皮革」の2種類
天然皮革は文字通り天然の革を使用したもの。主に羊の革が使用されます。特徴としてはとてもしっとりとした感触で手になじむことです。ゴルフはパワーだけでなくクラブの緻密なコントロールが要求されるため、感触の良い天然皮革のグローブはトッププロや上級者に多く愛用されています。欠点としては、使用後のメンテナンスが多少必要な事と、劣化が早くフィーリングが長持ちしないこと、濡れてしまうと硬くなってしまうことなどが上げられます。あとはややお高めです。
対して合成皮革を使用したグローブは耐久性が高いことが大きなメリット。感触などは天然皮革に及びませんが、特にお手入れは必要なく濡れても硬くなりにくいので雨の日などに重宝します。また、値段も天然皮革に比べて安価なものが多いです。初心者やたくさん練習する方は、合成皮革のタイプがおすすめですね。
最近のグローブは感触が求められる部分は天然皮革を使用し、摩耗しやすい部分を合成皮革を使用するといったハイブリッドや、伸縮素材を使ったタイプも存在します。また指の長さなどは、ブランドやモデルによって微妙に異なるので、よりぴったりフィットするグローブを探しておくことが力みのないスムーズなスウィングにつながりますよ!
ゴルフを始めてまだ日が浅いという方は、まず自分に合った道具からそろえてみるのが上達への第一歩。ぜひ参考にしてみてくださいね!
写真/田中宏幸、協力/スポーツオーソリティ幕張新都心