キャリアグランドスラム達成へ準備は整った
面白いデータがある。マキロイのPGAツアーにおける「勝利年」だ。マキロイは過去PGAツアーで14勝を挙げているが、そのうち奇数年の勝利数は3。残りの11勝は、偶数年に挙げているのだ。マキロイはマスターズを除くメジャーで通算4勝を挙げているが、そのうちの3勝も偶数年に達成している。
「面白い偶然だね」で終わりではなく、これには理由がある。それは、マキロイのクラブ契約との関係だ。ゴルフ界の期待の若手だったマキロイが全米オープンを制したのは2011年のこと。その翌年、PGAツアーで全米プロのメジャータイトルを含む4勝を挙げ(欧州ツアーでも勝っている)、世界ランク1位に上り詰める。そして迎えた2013年、ナイキとの契約を発表する。
しかし、その2013年でマキロイが勝利を挙げるのは、12月のオーストラリアン・オープンでのこと。年末になってようやく挙げた一勝に対し、クラブに慣れるのに時間がかかったとコメントしている。
クラブに慣れたマキロイは手がつけられないほど強く、2014年は全英オープンと全米プロのタイトルを奪取し、キャリアグランドスラムに王手をかけるなど前年の借りを返すような活躍を見せる。
そして2015年、2016年(2016年はPGAツアーの年間王者にも輝いた)と勝利を重ねるマキロイに、転機が訪れる。契約先であるナイキのゴルフクラブ・ボール事業からの撤退だ。当時マキロイが、「ありとあらゆるメーカーからクラブとボールが届いている」と語ったように、新たな使用クラブ探しに奔走することになる。
迎えた2017年、マキロイはテーラーメイドと契約。クラブ・ボールを一新してシーズンに臨んだが、肋骨の疲労骨折など相次ぐ怪我に悩まされ、未勝利でシーズンを終えることになる。
このように、マキロイのキャリアを振り返ると、なぜか奇数年(2013年、2017年)に契約変更や怪我などの“なにか”が起こっていることがわかる。偶数年に活躍が目立つのも、これが理由だ。
昨年末、不調だった2013年を例に挙げ「2014年にはバウンスバック(復活)したから、悪かった今年の鬱憤は来年晴らすよ」と語っていたマキロイ。2018年、早くも勝利を挙げたマキロイが、マスターズでキャリアグランドスラム達成を果たす可能性が、にわかに高まってきた!?