「初開催コース」は“キャディ力”が問われる?
今シーズンの国内女子ツアーは38試合が開催されるが、中には先日開催されたTポイントレディスゴルフトーナメントのように初の開催コースというケースがある。その場合、プロを含めて佐藤大輔さんらプロキャディも練習ラウンドはいつも以上に細かくコースをチェックする。
「初めてのコースでまず調べることといえばグリーンですね。傾斜やラインを入念にチェックします。自分たち(プロキャディ)のコースの下調べというのは、バッグを担ぐプロがどういう持ち球で、どれくらいの飛距離かを把握していることが前提になります。たとえば、左へのミスが多いプロだったら、左サイドのラフの状況などをチェックしておきます。左のラフでもOKなのか。逆に、左を絶対に避けるために、右のバンカーは入れてもOKか。そういった情報が与えられるように準備をします」(佐藤)
初めてのコースでは、隅々までチェックするのは不可能。ポイントを押さえて効率良く情報を収集しなければ、実戦で活用することはできない。そんな佐藤さんが練習ラウンドで気づいたことが、ルーキーなど新人選手と、戦い慣れた選手との練習ラウンドのやり方の違いだ。
「茂木(宏美)さんの場合は、練習ラウンドでは決まった場所からだけチェックするんです。グリーン周りでいえば、外しても良い場所と、外しちゃダメな場所があって、アプローチは外しても良い場所からだけ練習をする。新人の選手にありがちなのは、ミスすることを想定はしているんですが、そこからは寄らないだろうという場所から練習をしたりするんです。茂木さんもそうでしたが、シードを継続的に確保できる選手は根本的に練習の質が違うなと感じます」(佐藤)
寄らない場所へ外してスコアを落としたら、それはアプローチが寄らなかったことが原因ではない。外しちゃいけない場所へ打ってしまった、アプローチの前のショットが原因ということ。ミスを受け入れることの大切さを新人選手に伝える(教える!?)ことも、佐藤さんにとっては大事な仕事の一つなのかもしれない。
写真/姉崎正