序盤から白熱した試合を重ねている国内女子ツアー。そこは女子プロたちの戦いの場であり、ゴルフメーカーが新製品を投入しプロたちに使ってもらえるよう働きかける場でもある。今週開幕するヤマハレディースオープン葛城の練習日でも、練習グリーンで女子プロたちがパターを手に取り試行錯誤している様子が見てとれた。ギア好きにはたまらない、最新モデルが続々登場する女子プロたちのパター事情を取材した。

「ツーボール」じゃなくて「ワンボール」が登場

ツアー会場のグリーンでは、新しいモデルを試す彼女達の姿をよく目にする。ヤマハレディースオープン葛城の練習グリーンで柏原明日架が興味を示していたのが、オデッセイの新モデル「O-WORKS TOUR(オー・ワークス ツアー)」だ。昨年発売された「O-WORKS(オー・ワークス」の新ラインナップとなるモデル。

柏原が現在使用しているエースパターがオー・ワークスの2ボールタイプ。手に取ったのもヘッド形状は同じだが、ヘッド上部にあるはずの2つのボールが1つしかない。ボールが後方部の1つのみで、前方にあった部分には3本のラインが引かれている全く新しいヘッドタイプ。

「ツーボールじゃないんですか? ワンボール? ヘッドの上にボールが1つしかないのは慣れないので最初は違和感がありましたが、今使っているモデルの2ボールの部分にラインを入れていることを考えれば、構えやすいかも」(柏原)

画像: “ワンボール”を手に取り試した柏原明日架

“ワンボール”を手に取り試した柏原明日架

パター巧者の上田桃子もこのニューモデルを試打した一人。エースはピンタイプだが、この日試して好感触を得ていたのはショートスラントネックのニューワイドタイプだった。ヘッド形状自体はピンタイプに近いが、ネック部分が短くソールソール幅も広い。そこが要因なのかアドレスがピタッと決まるとのこと。

画像: 普段はピンタイプを愛用しているが、ネックがより短くソールが広いオデッセイのO-WORKS TOURを試していた。ちなみにツアー担当いわく5月発売とのこと

普段はピンタイプを愛用しているが、ネックがより短くソールが広いオデッセイのO-WORKS TOURを試していた。ちなみにツアー担当いわく5月発売とのこと

「いい意味でヘッドを意識しないで打てるというか、ストロークがスムーズにできる印象を持ちました。好きな感じです」(上田)

キム・ハヌルは「3年ぶり」にスコッティ・キャメロン回帰

開幕から今ひとつ存在感を示せていないキム・ハヌルの表情も明るい。練習グリーンでこの日手にしていたのはスコッティ・キャメロンのパター。少し前に依頼していたパターがようやくこの日手元に届けられた。練習グリーンで数球打っただけだが、その感触がかなりいい様子。ハヌルに手渡されたのは「ニューポート2」のニューモデルとのこと。インパクトのフィーリングを少し変えたいと希望していたハヌル。

画像: スコッティ・キャメロンの新しい「ニューポート2」を手に取るキム・ハヌル。ヤマハレディースで巻き返しなるか

スコッティ・キャメロンの新しい「ニューポート2」を手に取るキム・ハヌル。ヤマハレディースで巻き返しなるか

「スコッティ・キャメロンを使うのは3年ぶりです。韓国ツアーの時にも使っていました。打感がしっかりしていて、今の自分のフィーリングにピッタリな感じです」(キム・ハヌル)

「赤スパイダー」に“新種”登場!

また、シード権復活に向けて、新パターを手にする選手もいる。この日はウェイティングの資格で練習ラウンドを行っていた大西葵だ。テーラーメイドの「スパイダー アークパター」を試し、好感触を得ていた。

「正直言うと細かいこだわりみたいなものはないんですが、このパターは構えた感じも、打感もいいフィーリングでした」(大西)

画像: 大西葵はテーラーメイドのスパイダー アークパターを使用中

大西葵はテーラーメイドのスパイダー アークパターを使用中

「スパイダー アークパター」は今年の3月に発売されたばかりのパターで、見た目のインパクト以上の機能が搭載されている。アドレスした時に見えるヘッド中心の白い部分はボールを連想させるもので、そこをスタンスの中心にセットすると、ボール位置は自然に左目の真下にくると言う設計になっている。毎日プレーするプロでも、ボール位置が微妙に狂うこともある。それを矯正してくれる機能を搭載しているというわけだ。

画像: 左がオデッセイの「O-WORKS TOUR」、右がテーラーメイドの「スパイダー アークパター」。今年も赤パターがアツい!?

左がオデッセイの「O-WORKS TOUR」、右がテーラーメイドの「スパイダー アークパター」。今年も赤パターがアツい!?

パット・イズ・マネーという言葉は昔から耳にする格言のようなもの。今どきの若い女子プロ達はもしかしたら知らない言葉かもしれないが、彼女たちが使うパターにも注目だ。

写真/三木崇徳

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