やさしい握手を思い出そう
上半身の力みを取るためのコツを笠りつ子プロに聞くと「手の力を抜く!」と即答。では、どうしたら力を抜くことができるのだろう?
「アドレスでグリップをギュッと握っていたら、体にも力が入ります。飛ばしたいと思ったら強く握らなきゃと思っている方は多いですね。私の場合、グリップ圧はギュッと目いっぱい強く握るのを10としたら、5か、それ以下の強さで握っています。ちょうどファンの方と握手をするようなイメージです」
笠の理想は腕が体に振られるように動くこと。グリップを強く握っていると、クラブヘッドは逆に走らないし、飛距離も出ない。
「大事なことはヘッドの運動量をあげることです。手に力が入る気持ちはわかりますが、だまされたと思ってやさしく握ってくださいね」
手の力を抜いた分、お腹で力みを作る
手の力は抜くが、決して全身の力を抜いているわけではない。力んでいい場所を笠プロは自身で作っている。それはズバリ“お腹”だ。
「飛ばしたいと思うと、余計な動きが入ってしまうのはプロも一緒です。どこで力みやすいかというと切り返した後のダウンだと思いますが、その段階ではもう修正することはできません。だからアドレスの段階でスウィング中に力まない準備をしておくことが大事なんです。腹筋に力を入れておくと、重心が下がった状態になり、体が起き上がりにくくなるんです」
笠プロのスウィングの特徴は、インパクトでしっかりボールを押せる点だ。腹筋に力を入れておくことで、前傾角度が保たれ、理想的な位置からヘッドが入ってくる。適度な力感でインパクトを迎えられるのだ。
この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2018年4/17号の特集「あなたも陥っている 飛ばしの“悪循環”」から一部抜粋したもの。本誌ではプロやコーチの力み解消法が掲載されている。続きは本誌を手に取って確認しよう。
写真/大澤進二