ゴルフのスウィングで大切なことのひとつといえば「脱力」することだ。しかし、自分では力を抜いているはずなのに力んでいると言われたり、逆に脱力しすぎて強く振れないなど、どれくらい力を抜けばいいのか分からない。レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともある増田哲仁の著書「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」から、脱力でできる極意を教えてもらおう。
真ん中を伸ばすと脱力できるのだ
体を中心としたスウィングをつくるために、もうひとつ重要な要素があります。忘れてはならないのが「力」を抜くことです。「脱力」とひと言でいいますが、完全に力を抜いてしまってはスウィングするどころか、へなへなと倒れてしまうわけで、力を入れるんだけれども、無駄な力は抜く、というところがゴルフの難しいところです。
――リキめばいいことがないことはわかっていても、朝イチのショットやドラコンホールのショットなどでは、必ずといっていいほど顔もこわばり、肩に力が入ってしまいます.....。
それはまず、アドレスで「いつでも動き出せる構え」ができていないことが原因でしょうね。アドレスというのは、動き出すための準備姿勢であることが大切です。そのためには、どっしりと安定して押されても動かないような構えではなく、ほんの少しのきっかけで、体全体がすぐに動き出せる構えを作る必要があるのです。
スウィング中は、特に上体が脱力状態でないと、スムーズに体を入れ替えることができません。下半身もインパクト時には、力が加わっていますが、どっしりさせて踏ん張るような力ではなく、普通に歩く程度の力があれば十分なんです。
――両足で踏ん張るほうが、スウィングが安定するというプロもいますが。
確かに下半身をどっしりさせて踏ん張れば、安定感は感じるでしょう。しかし、そうすると体の入れ替えがスムーズにできず、手主体になってしまう危険性が高いんです。下半身を動かないようにがっちりと固めてしまえば、手でクラブを振ることしかできませんから。
「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より ※一部改変
写真/増田保雄、松岡誠一郎