マスターズを制したパトリック・リード。極限のプレッシャー下でも安定したショットを打ち続けられる背景には、やはり卓越したスウィングがある。リードのスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。

右体重のまま切り返し、フェースターンで飛ばす

パトリック・リードのスウィングの特徴はふたつあります。ひとつは、左右への体重移動が少ないこと。アドレスの位置から頭を動かさずに上半身をねじってトップを作ったら、腰を左にほとんど動かさず、右足体重のまま切り返してきます。

画像: 終始安定したショットを放ち続け、マスターズを制したリード

終始安定したショットを放ち続け、マスターズを制したリード

このように振るメリットは、スウィングにブレがなくなり、タイミングが安定すること。リードは最終日のプレッシャーのかかる中、致命的なミスを犯すことなく、安定したティショットを打ち続けていました。それには、このスウィング面も大きく影響しています。

もうひとつの特徴は、しっかりとフェースローテーションを使っている点です。インパクト前後の写真を見ると、しっかりと腕のローテーションを使っていることがわかります。

このときのポイントは、右肩が残り、上半身が開いていないこと。まるで、右足の前になにか忘れ物を見つけたかのように、顔は右足の前を向いています。このように、下半身と上半身の捻転差が生まれることで、ヘッドを加速させられると同時に、しっかりとボールをつかまえて飛ばすことができます。

ドローが持ち球のリードらしい、しっかりとボールのつかまるスウィングです。ドローヒッターがイメージを出しやすいオーガスタは、リードに向いていると言えそうですね。

画像: 体重移動せずに切り返し、そこから上半身の開きを抑え、しっかりとフェースターンさせるリード(写真は2018年のザ・ホンダクラシック 撮影/姉崎正)

体重移動せずに切り返し、そこから上半身の開きを抑え、しっかりとフェースターンさせるリード(写真は2018年のザ・ホンダクラシック 撮影/姉崎正)

リードのように、しっかりと上半身を開かずキープさせることができれば、ボールは自ずとつかまってきます。スライサーで、上半身から切り返してしまうクセのある人は、「レベルが違う」と遠慮せず、まずはリードのように右肩を残したまましっかりとフェースローテーションを使うイメージをマネしてみてはどうでしょうか。

右肩の位置をキープする意識を持ち続けながらスウィングすることで、マスターズチャンピオンのような美しいドローボールが打てる……かもしれませんよ。

撮影/姉崎正

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