軸は棒じゃなく円柱で考える
藤田寛之プロは開口一番「頭はどれだけ動いても問題ないです」ときっぱり。
「頭を止めてしまうと体の回転も止まります。それはバックスウィングで肩がしっかり回転しないことを意味します。たとえば野球のピッチングをイメージしてください。振りかぶったときに右足にしっかり体重が乗っていますよね。これがゴルフのスウィングでも必要なんです。まずはしっかり体重を右足に乗せてエネルギーを溜める。これは頭を止めていてはできないことです。
ポイントは、軸を体がすっぽり入るくらいの円柱で考えればいいんです。その中で体を回転させるイメージを持つと、頭は真ん中から円柱の右端に移動する。実際に動いていますが、円柱で考えれば動いていないのと同じ。自分では動きすぎたと思うくらいでちょうどいいんです」(藤田)
下を向きながら行うから効果がある
頭を動かしていいと言われても、本音はどれくらい動かせばいいのか、基準がほしいところ。そこで藤田プロは自分の影を利用してチェックすればいいと提案してくれた。
「太陽の位置を確認して、自分の正面に影がくるように構えます。そして頭の影の幅にティペグなどを刺します。その状態でバックスウィングをしてみてください。これだけ動かさなきゃならないんだというひとつの指標になるはずです」
多くのアマチュアは鏡を目の前にしたときに鏡を見ながらスウィングをする。でも実際、ボールは地面にあり、鏡を見ながらボールを打つわけではない。前傾をした状態で打つわけだから、体がどのように動くかを確認するには下を向いたままが効果的なのだ。
「影を使うことで、ラウンドの途中でも確認することができます」
ドライバーなら自分から見て、影の真ん中よりも左にボールがあるはず。そこからボールが影の外に出てしまうくらい頭は積極的に動かしても問題はない。
この記事は、週刊ゴルフダイジェスト5月8・15日合併号の特集ページ『「頭を動かすな」があなたの飛ばしを妨げていた!』より一部抜粋したもの。本誌では様々なプロたちの正しい頭の“動かし方”の解説が掲載されている。続きは発売中の本誌で確認しよう。
撮影/矢田部裕