2015年の4月、念願の初優勝を飾り一躍時の人となった藤田光里。その後、2年間シードを保持したが、怪我などによる不調に苛まれ、2017年ついにシードを喪失してしまった。そんなシード喪失が決まった直後の2017年12月、キャロウェイアパレルのトークショーで藤田光里が語ったのは「初めてゴルフと向き合えるようになったこと」と「ゴルフを好きだと思えたこと」。あれから約5カ月。手術を経た、ここまでの歩みをまずは聞いてみた。
「レギュラーツアーのシードがあったときと違って、オフの間にずっと練習してからきて春を迎えるということができなかったですね。私は“手術をすること”を選んだので。実質(2月に出場し、復帰戦となった)グアム知事杯は力試しで、グアム知事杯が終わってから練習を始めるということになってしまっていました。もちろん調整が間に合うわけもなく、それでもやっていかなきゃいけない推薦をもらって、前半戦で稼がなきゃいけないというのを感じながらここまでやってきました」(藤田光里)
2016年から患っていた左ひじの肘部管症候群の手術を2018年1月に行い、医師から練習の許可が下りるまではクラブを振る練習はほとんどできなかった藤田。2月に行われたグアム知事杯女子ゴルフトーナメントにはホステスプロとして出場。術後初の試合に「どこまでできるか、力試し」と話していた。
その後、主催者推薦枠などで2018年はここまでレギュラーツアー5試合に出場。そのうち4回で予選落ちを喫している。前半で成績を出したいところだが、なかなか思うようにはいっていないのが現状だ。
「成績は出ていません。でも、少しずつ良くなっているのが実感として分かってきているので、ある意味“いつ噛み合うかな”って楽しみにしています。少しずつ噛み合って、自分のゴルフができ始めていると感じています」(藤田光里)
さらに続ける。
「もしそれ(噛み合うこと)が夏以降になってしまって、レギュラーツアーに出られなくてステップアップツアーに行かなきゃいけないってこともあると思うんですが、そうなったらそうなったで、来年のQTに向けて試合勘を忘れないようにやっていこうと思っています。良いほうに良いほうにって」(藤田光里)
最後に冗談ぽく笑いながらこう締めくくった。
「もしかしたら今までで一番、1年間の予定を立てて行動できているような気がします」(藤田光里)
長く苦しんだ怪我から、未だ復活の途上にある藤田。思うように結果が出せない現実から目をそむけずに、未来のビジョンを描けている藤田の活躍をこれからも見守っていきたい。
写真/矢田部裕 撮影/ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ