「V字軌道」ではバウンス角が消えてしまう
アプローチ上達のためにはバウンス(ソールの出っ張り部分)を使うことがカギ。ではいったいどうしたらバウンスを使ったアプローチができるのか? 女子ツアーで、選手からも一目置かれるアプローチ名人のシン・ジエプロに教えてもらうことにした。
「バウンスを使うということの前に、アマチュアの方は軌道のイメージが違うように思います。多くの人は、上から打ち込むような鋭角な軌道をイメージしているのか、インパクトでハンドファーストが強くなっています。これだと軌道は「V字」で、刃からクラブが入ってしまいます。つまり、バウンス角が消えてしまうのです。
私のイメージは「U字」軌道。ゆるやかにクラブを入れてきて、インパクトをしてから押していくように球を運んでいきます。すると、アドレスのときのバウンス角が保たれたまま、ヒットできますよ」
腕の意識を消してスウィングしよう
バウンスを使うためには軌道がゆるやかなことが条件。では、どうやってその軌道を作るのか? 引き続きシン・ジエプロが教えてくれた。
「腕で軌道を作ると思っている人が多いと思いますが、それは間違い。腕の意識はなく、左サイドで軌道を作ります」
具体的にはどの部位を意識すればいいのか?
「左腰と左のつま先です。簡単に言うと、スウィング中、ずっと左足に体重を乗せたままにしておきたいのです。左腰を動かさないようにスウィングをすると、腕でクラブを上げにくくなり体で上げられるようになります。すると軌道はゆるやかになります。
左つま先はとくに親指側に力を入れてください。内側に力が入れば、クラブを低く長く出すことができるので、U字軌道になりやすい。外側に力を入れてしまうと、左足がめくれやすく、バランスが悪くなってしまいますよ」
この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2018年5月29日号の特集「アプローチは『バウンス』が10割です!」の一部を抜粋・編集したもの。本誌では、バウンスを生かしたアプローチのコツを石川遼プロ、シン・ジエプロらが解説している。気になる人は本誌を手にとってみよう。
撮影/岡沢裕行