かつて丸山茂樹が勝ち、水巻善典がプレーオフを戦った
今週はAT&Tバイロン・ネルソンです。日本からは松山英樹・小平智の両選手が出場します。1944年にテキサス・ビクトリーオープンという名で始まったこの大会は第1回大会を地元の英雄バイロン・ネルソンが制し、1968年から彼の名前が大会名になって今年で65回目を迎えます。
この大会は丸山茂樹プロがPGAツアー2勝目を挙げた大会であり、1994年大会ではPGAツアー史上初めて6人によるプレーオフに突入しましたが、その中に水巻善典プロもいました。2011年大会では今田竜二選手が終盤で首位に立ちながら惜しくも1打差3位タイに敗れるなど、何かと日本人選手と縁がある大会です。
これまで何度か開催コースが変わってきましたが、今年からまた新たにトリニティ・フォレストGCに移ります。ダラスのダウンタウンから10分ほどという好立地に2016年にオープンしたばかりの出来たてホヤホヤのリンクスコースがその舞台になります。元々ゴミ集積所跡地だった広大な土地にゾイシアを品種改良した新しい芝が敷き詰められ、ダラスにいながらまるでイギリスのリンクスにいるような雰囲気とボールの転がりが味わえるということです。
お馴染みのベン・クレンショーとビル・クーアの共同設計。このふたりは今年の日本オープン会場である横浜カントリークラブや2014年USオープンの会場パインハーストNo.2などの改造を手掛けました。また現在毎年トーナメント・オブ・チャンピオンズを行なっているカパルア・プランテーションコースは彼らの初期の作品です。
初めて行われるのでどういう選手が向いてるのかなかなか予想しづらいところですが、設計者のビル・クーアによると「新しい芝の効果で今年のPGAツアーのフェアウェイの中では最も硬く速くなるだろう。ロングヒッターは何ホールかで突き抜ける心配をしないといけなくなる。ショートヒッターも同じくらい勝つチャンスがあるのでは」と言っています。
全英オープンのような硬く速いコースコンディションということで、昨年の全英オープン覇者で地元のジョーダン・スピース。スピースと最後まで優勝争いをしたマット・クーチャー。全英オープンではここ4年間で3回トップ10に入っているマーク・リーシュマン。先週11位タイと久しぶりに上位フィニッシュしてこの勢いでUSオープン出場権を確定させたいアダム・スコットなどが今週は良さそうな感じがします。
正確なショットが武器でやはり硬いコースコンディションだったハーバータウン・ゴルフリンクスを制した小平選手、先週今季初の予選落ちをした松山選手のバウンスバックにも期待しながらこの新しいリンクスコースを楽しみに見たいと思います。
撮影/姉崎正