スウィングに「トップ」も「切り返し」もないよっ
いわゆるフツーのスウィング論だと、「アドレス」「始動」「テークバック」「トップ」「切り返し」「ダウンスウィング」「インパクト」「フォロー」「フィニッシュ」って、だいたい9くらいにスウィングのパートを分けて考えるけど、9回も「正しい動き」するって、無理じゃない? プロならできるんだろうけど、って僕もプロだけど(笑)。いずれにしても難しいし、複雑すぎる。
それに対して雑巾王子流ツイスト打法はというと、「アドレス」「右折(バックスウィング)」「左折(ダウンスウィング)」「インパクト(腰のツイスト)」のわずか4行程でおしまい。世界のトヨタもビックリの効率のよさだと思わない?
スウィングの行程が4つしかないから、覚えるのも簡単だし、すぐに慣れる。ナチュラルにアドレスしたら、右折(バックスウィングで、ハンドルを右に切るように腕を動かす)して、左折(切り返し以降、ハンドルを左に切るように腕を動かす)する。基本的にはこれだけだからね。そこに、インパクト前後でツイスト(腰の逆回転)の動きを足してあげれば100ヤードアップなんて簡単だよ。これ本当。
さて、じゃあそんなエコ時代にピッタリの雑巾打法の全体像を見ていこう。始動については説明したけど、トップも右折の動きをした結果、勝手にできるものだから意識する必要はなし。
ここで一個だけ注意点、右折が完了したらすぐに左折を開始するんじゃなくて、まずはじめに手首の角度を伸ばしてほしいんだ。だから、細かく分けるなら、構えたら→右折して→手首を伸ばして→左折して→腰をツイスト、という流れになる。
当たったあとに何したって飛んでくボールには関係ないから、フォローやらフィニッシュやらもどうでもよし。カラダの右サイドで起こること。それがすべてなんだよ。
マジメな話、スウィングはシンプルで速いほうが絶対飛ぶし、曲がらない。始動も、トップも、切り返しも、フォローも、フィニッシュも、ゴルフには存在しません。そう考えると、なんだかすごいスッキリしない? しかもこれだけシンプルなのに、いや、シンプルだからこそブッ飛ばせるんだわ!
「オレって、こんなに飛んだっけ?」(ゴルフダイジェスト新書)より
撮影/姉崎正