誰もが憧れる圧倒的な飛距離を武器に、世界のトップへ上り詰めたダスティン・ジョンソン。433ヤードのパー4をあわやホールインワンしそうになるその飛距離は、我々アマチュアとは次元が違うように感じるが、「√d(ルートディー)ゴルフアカデミー」のヘッドコーチ・浦大輔は「アマチュアゴルファーの飛ばしに参考になる点もありますよ」と言う。さっそく“DJ”のスウィングを解体してもらった。

D・Jは“ザ・右サイド”のプレーヤー

PGAツアーで通算17勝をマークして、世界ランクで常にトップを争っているダスティン。190センチを超える長身と長い手足を生かした大きなスウィングアークから、モンスター級のビッグボールをぶっ飛ばしている。今年1月に試合でマークした、433ヤードをあわやホールインワンというショットは、いまだ語り草となっているほどだ。

そのスウィングで特徴的なのは、トップで左手首を曲げて甲を天井に向けることだが、これはフェースをシャットに使って球をつかまえる動きだ。

「このカタチは、アマチュアの皆さんがゼッタイに真似してはいけません。左手首を手のひら側に曲げたままクラブをギュッと持ってスウィングしたら、左前腕の外側が痛くなるし、これをやり続けたら腱鞘炎などのケガを負う危険があります」(以下、浦コーチ)

ではダスティンは、なぜこれができるのだろうか?

「彼はクラブを右手でしっかり持って、左手は指で引っかけているだけであり支えているだけ。そして、右重心のままスウィングするイメージで、右足の筋肉、右脇腹や右ヒジの絞り(タメ)、右手のパワーというように、体の右サイドをフルに使ってクラブを振っているんです。まさに“ザ・右サイド”のプレーヤーであり、利き腕である右手の器用さや力を生かしてボールを叩いて飛ばしています」

さらに、ダスティンのスウィング写真をまじまじと見つめながら、後方から撮った1コマに注目した。そこが「アマチュアゴルファーが見本にしてほしいところ」と指摘する。

「後方から見たときに、フォローサイドでヘッドが背中の上に飛び出しています。これはヘッドが先行している証しで、球をしっかりつかまえられる動き。インパクトゾーンで強烈にリストターンをして、思い切ってヘッドを返しているということです。そのときのスピードがあまりにも速いので、インパクト前後のクラブの動きを高速シャッターでも捉えられません。この辺りにも、ダスティンが飛ばせるポイントがありますね」

画像: 写真右のようにヘッドが背中の上に飛び出しているのはインパクトゾーンで強烈にリストターンをした結果ヘッドが先行するから。ここにもダスティンの飛距離の秘密がある(写真は2018年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

写真右のようにヘッドが背中の上に飛び出しているのはインパクトゾーンで強烈にリストターンをした結果ヘッドが先行するから。ここにもダスティンの飛距離の秘密がある(写真は2018年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

アマチュアにありがちなパターンは、同じくフォロースルーを後方から見たときに、ヘッドではなく左ヒジが見えてしまうことだと言う。体が先行して回ってしまい、インパクトにかけてヘッドが戻っていないから、振り遅れてプッシュアウトが出るのだ。

それではわれわれアマチュアが、巧みな“右手使い”を身につけるには、どんなドリルに取り組めばいいのだろうか。

「右手一本でアイアンを握ってから、左手の3本指(親指・人差し指・中指)でグリップを“つまむ”ように持ってみましょう。そのまま、ティアップしたボールを打ってください。そうすると、左手の動きが抑えられて“舵とり役”となりクラブを軌道に乗せられて、利き腕である右手が“エンジン役”となりボールを力強く叩く感覚が身につきます。しかも、左手は3本指でしか持っていないので、フェースローテーションがしやすい。右手が上手く使えていない人は、振り遅れによるプッシュアウトのミスが多かったり、ボールを叩けないので飛距離不足に悩まされていたり、球が上がりきらない人もいます。右手の正しい使い方を身につけることで、もっともっと飛ばせるようになるでしょう」

画像: 左手を3本指でつまむように持つことで、右手の正しい使い方が身につくと浦コーチ(撮影/岡沢裕行)

左手を3本指でつまむように持つことで、右手の正しい使い方が身につくと浦コーチ(撮影/岡沢裕行)

“下半身リード”をやろうとする前に、手の使い方を覚えることが先決とは浦コーチ。利き腕(右手)のポテンシャルを生かさなきゃもったいない!

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