当時15歳の高校1年生だった勝みなみが、女子ツアー「KKT杯バンテリンレディスオープン」で勝利を収めたのは4年前の2014年のこと。2017年、高校を卒業し、プロテストに一発合格した勝は、晴れて2018年、ルーキーイヤーに臨んでいる。
ここまでの獲得賞金3200万円超を稼ぎ、賞金ランクは9位。早々に来季のシード権までをも手中に収めている。前半戦を終えて、今の心境をまずは尋ねた。
「(来年の賞金)シードも圏内に行けそうなので、あとは本当に優勝するだけだと思っています。(自分に足りないのは)優勝しそうなときにそのチャンスをつかめるかつかめないかの“メンタル”だと思うので、そこを鍛えたいです」(勝)
実際、データ面から分析した勝は、まぎれもない一流選手と言える。ドライビングディスタンス11位と飛距離が出、平均パット数はパーオン時、1ラウンド平均ともに2位。バーディ数は堂々の1位。平均バーディ数も3位と、高い攻撃力を有していることがわかる。
フェアウェイキープ率が58.7045%で75位、サンドセーブ率が38.3333%で52位と良いとはいえないデータもあるが、その他の数字は軒並みいい。本人の言うとおり「あとは優勝するだけ」と誰もが思う成績だ。
勝はしかし、「勝ち方がわかっていない」と自分を分析している。
「(優勝するための)戦いかたがあると思うので、そこがまだ分かっていないというか。やっぱりまだ素人な考え方だったと思うし、経験して分かってくることってあると思うんです。メンタルコーチに色々お話を聞いたりしていて、そこで優勝への気持ちの持って行きかただったり、(優勝争いの)最後の踏ん張り方だったり」(勝)
レギュラーツアーでの優勝経験者とはいえ、高校1年生で勢いそのままで勝ったのと、レギュラーツアーメンバーとして狙って勝ちに行くのではやはり気持ちの面で大きな違いがあるのだろう。
「(優勝するための)第一ステージが自分の中であって、そこは今のところ上手くできてきているように感じているので、次の段階に移って、上手くできるように練習していきたいなと思っています」(勝)
19歳のルーキーながら、「初優勝」だけを見据えて勝は戦っている。初めから目標を高いところに置いているからこその好成績ということも言えるだろう。プロゴルファーは勝つことでさらに強くなり、勝利を重ねることで凄みを増すケースが多くある。だからこそ、初優勝は大切で、難しい。
ちなみに、今週は女子ツアー開幕後はじめてのオープンウィーク。過ごし方を尋ねると、同期の小倉ひまわりとショッピングに行くとのこと。つかの間の休息を楽しみにする姿は、19歳の女の子らしいものだった。
撮影/田中宏幸、取材大会/アース・モンダミンカップ