タイガーが練習ラウンドでテストしたのは自身の契約先であるテーラーメイドの「TPコレクション アードモア3」。日本では“赤バージョン”が市販されているが、タイガーが使用するのは黒い塗装がされたプロトタイプのようだ。
その特徴は、見ての通りの2本のツノ。タイガーの代名詞的パターである、ピン・アンサー型のスコッティキャメロン「ニューポート2」に比べ、どちらかといえばミスヒットに強そうな形状だが、ショートスラントネックになっていることで、操作性も担保されていそう。実際にこのパターをストロークしたプロゴルファー・中村修の感想はこうだ。
「流行りのショートネックのマレット型ですが、実際に打ってみると出球の方向性は抜群にいいですね。ベントネックに多いフェースバランス(フェースを開閉しにくい)ではなく、ショートスラントならではの、ストローク中に自然にフェース開閉する感覚があり、操作性も兼ね備えています。ジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソンらが使う“スパイダー”にも似ていますが、このアードモア3は構えたときにトップブレードがしっかりと見えることが気に入ったのではないでしょうか」(中村)
ちなみにこのパターは、ソールのウェートによって重量を動かすことができる。海外メディアなどに掲載されたタイガーのパター画像を詳細に見ると、左右それぞれのウェートには「2.5」と表記されているように見える。オリジナルの状態ではそれぞれ10グラムなので、左右それぞれ7.5グラムずつ、計15グラムの重量を削減している可能性がある。
「おそらく、使い慣れたバランスに調整しているのだと思います。グリップも従来と同じようなので、“吊るし”の状態だと重すぎたんでしょうね。総重量が違うと距離感も変わってしまいますから、振り心地やスペックはある程度揃えているのだと思います」(中村)
まだ本番で使うかどうかは決断していないようで、蓋を開ければいつものニューポート2でした、という可能性もあるが……今季、パットのスコアに対する貢献度が全体の89位とグリーン上が好調とは言えないタイガーが、ピンタイプに比べオフセンターヒットに強いマレット型にしてどうなるかは興味深い。引き続き注目だ。